あなたにも出来る!社労士合格体験記(第29回)--フランスから美男と美女がやって来た!

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面白かったのはピエールを囲んで、若者たちが集ったときのことです。将来の夢として仕事の夢ばかりを語る日本の若者に、「もっと、アモール(愛)を語ろうよ」と訴えかけたり、「日本では仕事が一番で、夜遅くまで遊ばない」と嘆いたり。そんなカルチャーショックを感じながらも、日本が大好きで努力家のピエールが、日増しに日本語が上達していくのには感心しました。

映画の製作の事業

フランス映画の話が出ましたが、労働基準法の「労働時間の特例」に、「映画の製作の事業を除く」という頻出の論点があります。労働時間の大原則は、法32条に規定されている「1週間について40時間、1日について8時間」が上限で、これを「法定労働時間」と呼びます。

しかし、特例として法40条で「公衆の不便を避けるために必要なものその他特殊の必要のあるもの」について労働時間の例外を認めています。その例外が、常時10人未満の労働者を使用する「商業」「映画・演劇業」「保健衛生業」「接客娯楽業」の4つの区分に属する業種で、1週間について法定労働時間が延長され、44時間となります。頭文字をとって「ショウ・エイ・ホウ・セツ」と覚えましょう(特例4業種も1日については8時間です)。

くせ者なのは、この「映画・演劇業」は「映画の製作の事業を除く」となっている点です。つまり、「映画の製作の事業」は、大原則どおり、1週間の法定労働時間は40時間ということになります。

同じ例外でも扱いが違う

さらに紛らわしいのは、やはり40条で規定している、休憩時間の例外の扱いです。休憩時間は法34条に、「6時間を超えたら45分、8時間を超えたら1時間」を、(1)労働時間の途中に、(2)一斉に与え、(3))自由に利用させなければならないという、休憩の3原則が規定されています。

この一斉付与には、やはり業種区分による例外があり、前述4業種に「金融・広告業」「運輸交通業」「通信業」「官公署」が加わり、8つの区分に属する業種です。これも頭文字をとって「ショウ・エイ・ホウ・セツ・キン・ウン・ツ・カンだ」と覚えましょう。

ところが、こちらは「映画の製作の事業」が含まれているのです。つまり、「映画の製作の事業」も例外扱いで、休憩の一斉付与の原則が適用されません。また、これらの8業種以外でも、労使協定で一斉に休憩を与えない労働者の範囲とその与え方を定めた場合には、一斉休暇を与えなくてもよくなります。そして、この労使協定の所轄労働基準監督署長への届出は不要です(前述8業種は労使協定も不要です)。

ただ、同じ休憩の3原則の例外でも、「自由利用の適用除外」に規定されている、所轄労働基準監督署長の許可が必要な場合(必要でない場合もあります)と混同しないようにしてください。

次回は、元日特別番組です。

【毎月第2・第4火曜日に掲載予定】

翠 洋(みす・ひろし)
1958年愛知県生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)入社。番組制作、報道、出版事業などを経て45歳で退職。延べ1年半の失業期間の後、NHK「地球ラジオ」の専属ディレクターとして3年勤務。その間、ファイナンシャル・プランナー(AFP)に登録。2007年4度目の挑戦で「行政書士」合格後、行政書士法人で外国人の日本在留ビザ申請代行業務に従事。「社会保険労務士」には、2008年4度目の挑戦で合格。現在は、職業訓練講師として「人事労務基礎科」「基礎演習科」などを教えている。趣味はアルトサックス演奏、温泉巡り。「語学オタク」。

人事・労務が企業を変える 東洋経済HRオンライン

 

 

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