「起きたときが一番だるい」と感じたら危険信号 腕ふり体操で「ミトコンドリア」を活性化する

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適度な運動負荷を体にかけると、エネルギーのもとになるATPが消費されます。

すると失われたATPを補給するべく、エネルギーの生産工場であるミトコンドリアが活性化し、酸素をせっせととり入れて新たなATPをつくり出します。

つまり、有酸素運動を行うことで数と質、両方の効果が得られるということです。

これらを考えあわせると、ミトコンドリアを増やして活性化するには、遅筋を増やす筋力トレーニングと、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を行うのがよいでしょう。

気をつけたいのは、激しい運動をやりすぎてしまうこと。運動でエネルギーが急にたくさんつくられると、活性酸素を大量に発生させてしまうことにもなるからです。ミトコンドリアのエネルギー代謝活動によくありませんし、体にも活性酸素による不調が出てしまいます。

ミトコンドリアが活性化する「腕ふり体操」

間隔を置いてくり返し適度な負荷をかける筋力トレーニングや、少し息があがるくらいのウォーキングなどの有酸素運動を日々続けることがミトコンドリア活性化には最適です。

とはいえ、運動習慣のない方はなかなか始められませんし、続かないですよね。そこでおすすめしたいのが、楽にミトコンドリアを活性化できる「腕ふり体操」です。これは、私の師匠である医学博士の金城実先生が考案したもので、その場で気軽にできて、天候にも左右されません。

【腕ふり体操のやり方】
①両脚を肩幅に開き、両手を腰にあてて、片脚を軽く前に一歩出します。
脚を軽く曲げて、後ろ足のかかとを少し上げ、体重を前脚と後脚の両方に均等にかけます。
②両脚をリズミカルに軽く曲げたり伸ばしたり、小刻みにくり返します。腰を上下にやわらかくはずませるようにすると楽にできます。
「イチニ、イチニ」と声を出して。
③その上下の動きを止めないまま、腕を前後にふります。
これを1分間続けます。朝晩1日2回行いましょう。
(出所:『だるさ一掃×よく眠れる×自律神経が整う 1日1杯疲れのおそうじスープ』)

リズミカルに腕をふるのも、とてもいいことです。

『だるさ一掃×よく眠れる×自律神経が整う 1日1杯疲れのおそうじスープ』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

規則的なリズムを刻む運動を行うと、セロトニンというホルモンが出るからです。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、気持ちが前向きになったり、興奮した神経を静めたりしてくれます。

ウォーキングやジョギングをするときにも、リズミカルに腕をしっかりふってセロトニンを分泌することを意識するとよいでしょう。

腕ふり体操を続けながら、朝起きたときの疲れはどうか、「体が動かない」という感覚が減ったか、夜はぐっすり眠れているか、体を観察してみてください。

少しでも「いつもより体が軽いな」と感じていただけたらうれしいです。

御川 安仁 ナチュラルアート クリニック院長、統合医療・栄養療法医師

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みかわ やすひと / Mikawa Yasuhito

岡山大学医学部卒業後、緊急時に対応できる医師になると決意し、災害医療に対応できる科であった岡山大学麻酔・蘇生学教室に入局。東日本大震災では、災害派遣医療チーム(DMAT)のチームリーダーとして出動。国立国際医療研究センター救急部 臨床研修指導医、川口市立医療センター救命救急センター 医長、愛宕病院ER-救急蘇生センター救急部長などを歴任。2005年より「病気にならないようにする、できるだけ薬を使わずに治療する」ために補完代替医療を学び、2015年に開院。「自己回復力」を高め、病気にならない体をつくるための医療を続けている。著作に『疲れがとれない原因は副腎が9割』(フォレスト出版)。

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