「起きたときが一番だるい」と感じたら危険信号 腕ふり体操で「ミトコンドリア」を活性化する

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疲れを放っておくと、さまざまな症状が複合的に現れるようになり、専門的に治療をしても改善に時間がかかってしまうようになります。

私の患者さんの中にも、「いつも疲れていて体がだるい……」という状態を放っておいた結果、お風呂で髪を洗うときに頭まで手が上がらない状態になった方がいます。

そこで初めて深刻な疲れを自覚され受診されたのですが、もっと早く異変に気づいていれば症状が軽いうちに対策ができ、改善も早かったはずです。

特に、何事もがんばりすぎてしまう人ほど、疲れを我慢して悪化させてしまったり、疲れに気づかないまま働きすぎてしまい、ある日突然燃え尽きてしまったりする恐れがあるので要注意です。

疲れているときは自律神経が乱れている

疲れを感じているときは、たいていの場合、自律神経が乱れています。自律神経には副交感神経と交感神経があり、刺激を受けて自動的に体の機能を調整します。簡単にいえば、リラックスしているときは副交感神経、緊張やストレスを感じているときは交感神経が優位に働いています。

この2つの神経のバランスがうまくとれているのが健康な状態なのですが、疲れているときは、1日のうちで交感神経が優位になっている時間が長くなっていることがほとんどです。すると何が起こるかというと、体の「骨格筋」という筋肉が緊張している状態が長く続き、血行が悪くなり、肩こりや腰痛を引き起こします。

また、骨格筋のこりは緊張型の頭痛の原因にもなります。

痛みがあるときに市販の薬やマッサージで痛みが解消したとしても、その状態が長くは続かず、またすぐにつらい状況になることが多くありませんか?

それは、疲れの原因が根本から解消されていないためです。

交感神経が影響する筋肉は、骨格筋だけではありません。内臓や血管の壁の「平滑筋」も影響を受けています。平滑筋は体内のあらゆるところにあるので、消化管にある平滑筋がうまく働かなければ便秘や消化不良などの消化器系の不調が現れることになりますし、血管にある平滑筋が収縮すれば、血流が悪くなり高血圧の引き金になります。

筋肉はもちろん心臓にもあります。怖い話ですが、交感神経の緊張が心臓、心筋にも影響を及ぼし続けると、心不全や不整脈の原因にもなりかねません。

こうやって見ていくと、疲れた体が抱えやすい不調はとても広範囲ですし、さまざまな症状が重なって引き起こされることがわかります。

だからこそ、疲れを放置して長引かせてはいけないのです。

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