脱添加物!海外企業はここまでやっている 日本の「安全」は世界の「危険」かもしれない
クラフトは昨年、マカロニ&チーズの一部製品について、黄色の着色料の代わりにターメリックやパプリカなどの天然色素を使うと発表した。ペプシコはダイエットペプシで、人工甘味料のアスパルテームをスクラロースに置き換える方針を表明している。
大手チェーンの決意表明が続くなか、マクドナルドも3月に、ヒト用の抗生物質を投与して飼育された鶏肉の使用を、段階的に中止すると発表した。数週間後にはマクドナルドに鶏肉を供給する食品加工大手タイソン・フーズが、鶏の飼育で抗生物質の使用を停止し、牛や豚などほかの肉についても検討すると表明した。
低脂肪・低コレステロールで売り出したナビスコのクッキー「スナックウェル」シリーズも、高フルクトースコーンシロップやトランス脂肪酸、人工の着色料と甘味料を排除する動きに呼応して、製品の見直しを進めている。
「20年前は低脂肪や無脂肪で満足していた消費者が、それだけでは納得しなくなった」と、全粒穀物食品メーカー、バック・トゥ・ネイチャー・フーズのビンセント・ファンテグロッシCEOは言う。
人気商品の改良は危険な賭け
ただし、象徴的なブランドを改良するのは厄介だ。消費者に味や口触り、品質の違いを感じさせたら、すべてを失いかねない。
「問題の成分をいっさい使わずに新しい製品をつくればいい小さな会社に比べて、私たちのように有名なブランドを擁する会社は難しい」と、ネスレUSAの製菓事業のマーケティング部長、レスリー・モーアは言う。
多くの企業は、消費者の要求に応えているだけだと慎重に言葉を選び、問題の成分の是非を判断することは避けている。それでも激しい批判にさらされがちだ。
メキシコ料理チェーンの大手のチポトレ・メキシカン・グリルは、遺伝子組み換え食品を排除する(パネラと同じく炭酸飲料は対象外)と発表したが、子供だましだと非難された。殺虫剤の問題が指摘されているヒマワリ油を排除しないのは、ダブルスタンダードだという指摘もあった。