キャンプ場に出没「迷惑ナンパ男」の危険な実態 最悪の事態を想定して「避妊具」携帯する女性も

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その後、テント場に宿泊する予定だったAさん。近くのトイレから戻ってきたとき、驚きの光景を目にした。柱に自転車用の鍵でくくりつけていたAさんのリュックのあたりで、さっきの男性が何かゴソゴソとしていたのだ。怖くなり、その場を離れたAさんだったが、あとで確認すると、リュックから食料が盗まれていた。

「夕食用のチーズや羊羹など高カロリーなものが盗まれていて、絶望的な気分になりました。無視した腹いせにやられたんだと思います。登山中の水と食料は命に関わるものです。2泊の予定でしたが、1泊で切り上げなければなりませんでした」

以降、Aさんは男性に声をかけられても、プライドを傷つける断り方はやめるようにしたという。

「わざと男性と電話するふりをしたり、声をかけてきた男性を逆に宗教や自己啓発セミナーに勧誘するふりをしたりしています。最近では、FX投資話をするのが一番効果的です。とにかく、面倒臭そうだなと思ってもらえるように話しています」

Aさんは登山中にナンパしてくる男性が増えていると指摘する。

「登山ブームもありますが、山だと誰にでも挨拶できるので、ハードルが下がっている気がします。女性が1人で山登りするのは危険だと思います。でも、やっぱり1人で登りたいという気持ちもある。最悪の事態を想定して、私は避妊具やモーニングアフターピルも持って登山しています」

対等な旅人として扱ってくれた人には感謝

Aさんが指摘するように、山では「こんにちは」「お先に」と挨拶するのがマナーとされている。一部の悪質な男性のふるまいのせいで、「ナンパと誤解されたくない」という男性もいるだろう。一方で、男性から声をかけられても「嫌な思いをしなかった」という女性の話を紹介する。

会社員のBさん(30代)は10年前、北海道・函館山に女性の友人2人と登山していた際、後ろからやってきた40代くらいの男性に声をかけられたという。お互いに挨拶したあと、男性はBさんたちのペースに合わせて登った。

「男性は北海道一周をしている最中だったそうで、若い私たちには珍しい経験をお持ちのように見えて、お話しながら頂上までご一緒することにしました」

頂上に到着したあとは、一緒に記念撮影をしてそのまま別れたという。

「声かけされても嫌ではなかったのは、男性が私たちのプライベートを聞いてきたり、連絡先の交換を要求してこなかったからだと思います。態度も偉そうだったり、威圧的だったりすることはなく、勝手な自分語りをしたりもしませんでした。私たちを対等な旅人として扱ってくれていたように思います」

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