「120周年イベント」に見るハーレー人気の秘密 7万3000台のハーレーと13万人のファンが集合

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CVOストリートグライド。市街地では見た目のとおりロードグライドより軽快に走れる(写真:Getty Images for Harley-Davidson)

高速クルージングしながらCarPlay経由でApple Musicの好きなメニューを楽しめるなんて、贅沢な時代だ。今回のCVO2車種には両方ともロックフォードフォズゲートの高性能オーディオが標準装備されるが、そのスピーカーがフロントカウルやリアのサイドケース内で占める面積はかなり大きい。音楽を聞かせながらクルージングさせることを、ハーレーが大きなアドバンテージにしたいという意向の表れだろう。

モーターサイクル用としてはかなり大きな4つのスピーカーは、ソースにもよるが時に絶妙なバランスで前後/左右からライダーを包み込む。キーの高い男性ボーカルなどは最高だ。クルーズコントロールと併用すれば、そのまま陸地の続く限りどこまでも走っていけそうな特別な没入感をもたらしてくれる。

このオーディオには、速度に応じて音量を調整してくれる機能も備わるが、信号待ちや静かな山道では意識してボリュームを控えめにしておいたほうが文化的かもしれない。

魅力的なVツインのエンジンサウンド

オーディオに頼らずとも、ハーレーのVツインサウンドはとても魅力的だ。45度というバンク角度がもたらすスキップを踏むようなビートと、まろやかなエグゾーストノートがスロットル開度やエンジン回転数に応じて絶妙にからみあい、振動とともにライダーを喜びの世界に誘う。

とりわけ新しいCVOのエンジンは、低速域でのレスポンス、高回転域でのなめらかさに大幅に磨きがかかっている。1500rpmから5000rpmの範囲で、どこからでも豊かなトルクを満喫できる。

レブリミットは5500rpmに設定されているが、その時点でもなめらかな回転感覚は維持されていて、「おや、もうシフトアップか」と気がついてようやくギアチェンジするようなシーンが何度もあった。115ps/4500rpm、最大トルク189Nm/3000rpmのスペックは、その数字から想像するよりずっと大きな力を秘めているように感じた。

ヨッヘン・ツァイツCEOが「3年をかけて熟成し、まったく別物に生まれ変わった」と表現する新しいCVOは、スタイリング、ハンドリング、パワーユニットすべての面で、熟成されたマイルドさを打ち出したモデルになった。

無骨さ、不器用さを排除して、世界最高のクルージングバイクを目指した作品であり、ドイツ出身のCEOとさらなる国際化を目指すハーレーダビッドソンの姿勢が前面に出たモデルと言える。

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田中 誠司 PRストラテジスト、ポーリクロム代表取締役、PARCFERME編集長

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たなか せいじ / Seiji Tanaka

自動車雑誌『カーグラフィック』編集長、BMW Japan広報部長、UNIQLOグローバルPRマネジャー等を歴任。1975年生まれ。筑波大学基礎工学類卒業。近著に「奥山清行 デザイン全史」(新潮社)。モノ文化を伝えるマルチメディア「PARCFERME」編集長を務める。

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