「120周年イベント」に見るハーレー人気の秘密 7万3000台のハーレーと13万人のファンが集合
昼間のイベントはミュージアムが中心だが、夕方から夜にかけてミシガン湖沿いに仕立てられた巨大な野外ステージでロックバンドのライブを核に、飲食ブースやグッズ販売ブースなどを組み合わせた、典型的なお祭りが開催された。
午後3時くらいからミュージシャンのパフォーマンスが開始され、トリを務めるのは金曜日がグリーン・デー。土曜日はフー・ファイターズ。一流のロックバンドのパフォーマンスに多数の観客が酔いしれていた。
ちなみに、フー・ファイターズのチケットは前売りで4万5000枚を売り切ったという。こうしたマーケティングイベントは、往々にしてメーカーにとって多額の経費の持ち出しになるものが多いが、ハーレーダビッドソン・ホームカミング・フェスティバルについてはその限りではないようだ。
ハーレーダビッドソンのヨッヘン・ツァイツCEOは、今まで5年に1度だったミルウォーキーのフェスティバルを、来年から毎年実施すると明らかにした。来年は7月25日から28日に実施される。テーマは「創業者“ウイリーG”に捧げる」になる。
開発や生産の現場見学も
イベントの期間中は、ハーレーダビッドソンの開発/生産部署を見学することができた。
開発センターは、ハーレーダビッドソンのすべてのモデルに関わっている。ここでの開発が新型CVOの軽量化、エンジンやデザインのリファインに反映されている。われわれが見せられた施設では、車両の信頼性の確保のため、エグゾースト、燃料吸入の微妙な変化に伴う振動や排ガス、性能の自動的なチェックや室内での加速騒音試験などが行われていた。
いずれの施設も最新とは言いがたかったものの、この道何十年の職人がじっくりと製品の改善に打ち込んでいる姿が印象的だった。電動バイクの“Livewire”も、サイズの異なる2つのモデルが所々で試験を待っていた。
エンジンの製造工場であるパワートレーンオペレーションセンターは、開発センターより少しダウンタウンに近い場所にあり、常勤社員100人ほどとパートタイマー700人あまりが働いている。いずれもハーレーのシャツを着て、真っ黒に日焼けした腕にはタトゥーを入れている人も多かった。みなさんとてもカジュアルで見学者と区別がつかない。
マシニングセンターやヘッド回りの組み立てを中心に自動化が進んでいるが、ギアのパーツは人の手で組み合わせられるなど、マニュアルの部分もまだ多く残されている。組み上げた部分ごとにカメラやレーザーで精度チェックが実施されている。
ハーレーの空冷エンジンのなかにはボアが100mmを超えるものもあり、分解してもかなり存在感がある。ものによっては日本やドイツからここに運ばれてくる部品もあるそうだ。
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