日経平均再浮上の「重要サイン」が点灯しつつある 3万4000円突破に必要な「3つの条件」とは何か

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灼熱の太陽が照りつける東京。日経平均株価が再度年初来高値をとる条件とは何か(写真:Getty Images)

調整局面にある日本株が年末まで再度前進するには何が必要か。今回は「3つのエンジン」に注目したい。それは(1)円安進行、(2)アメリカ経済のソフトランディング(景気が落ち込んでもマイナス成長を回避すること)、(3)半導体需要の回復――である。

なぜ円安進行が日経平均にとって追い風なのか

日銀は7月28日の金融政策決定会合で10年国債利回り(長期金利)の誘導目標上限値を、それまでの0.5%から1%に拡大するという政策修正に踏み切った。

ドル円相場は政策修正の発表直後こそ円高に振れたものの、その後すぐに円安に転じ、8月2日には1ドル=143円台を回復した。一見すると不可解な動きだが、常に一歩先を読む市場参加者は「これで当分の間、政策修正はない」との判断に至り、むしろ安心して円売りを進めたということだろう。

YCC(長短金利操作=イールドカーブ・コントロール)を形骸化させたことで、次なる政策変更はいよいよマイナス金利の撤回となる。

ただし、そこに至るまでには日銀が2%目標の安定的達成に自信を持つ必要があるため、相当な時間的距離があるように思える。例えば、来年の春闘賃上げ率でベア相当部分が再び2%を超えるなど、現時点で少数派の予想が実現する必要がある。逆に言えば、それが実現しない限り緩和的な金融政策が続き、円安圧力が生じるということになる。

ところで円安は日本経済全体にとってプラスかマイナスなのか。それは立場(消費者or企業)や業種(製造業or非製造業)あるいは期間(半年or10年)などによって異なるため、統一の見解を得ることは難しい。もっとも、評価の対象を大企業製造業に絞ればプラス、すなわち業績拡大要因である可能性が高いと判断される。

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