箱根駅伝「連合チーム」廃止に東大生らが抱く疑問 8つの大学が臨時総会の開催を求め署名活動
2つ目は承認/不承認の票数が議事録に明記されていないことだ。代表委員総会で採決をとる際はグーグルのオンラインフォームが用いられており、会議中に各加盟校の代表者が承認/不承認を送信する。その際、最終的な票数は明らかにされず、後日送付される議事録でも明示されていない。ある大学の監督は「どれだけの賛成、反対で決まったのかが公開されていない。少なくとも、議事録には絶対に必要」と指摘する。
3つ目は学生の意見が反映されにくい構造についてだ。臨時総会の開催を要求していたプロジェクトチームは、関東学連の代表委員総会の採決と同様、署名活動にはグーグルフォームを利用していた。しかし、1度目の提出から3週間以上が経過した後、関東学連から直筆の署名と押印がされた書面を再提出するように求められた。
不正防止の意図があると理解しつつ「普段の会議でもオンラインフォームを利用しているので、票数を水増しできてしまうのでは」と違和感を覚える。また、連合チームを編成しない案は、上田誠仁委員長(山梨学院大陸上競技部顧問)らを中心とした駅伝対策委員会で話し合われたため、草案時に学生の意見は反映されなかった。
連合チームは「希望の星」
以上の点を問題視した上で、前出の学生は連合チームの存在を「希望の星」と表現する。「箱根駅伝にチームとして出場することが現実的ではない大学の選手にとって、連合チームは希望の星。そこに大きなモチベーションがあり、走力の強化やレベルアップにもつながっている」。連合チームでの出走へ向けて努力する過程では、自己管理や仲間との協調の大切さを学ぶことができると主張する。
「強豪校も本大会での活躍を目指して頑張っているように、その過程に人としての成長があることが大切。連合チームに出たいと思って頑張ることは悪いことではない」。今もプロジェクトチームは議論の場を求め、臨時総会の開催へ働きかけている。
(藤塚大輔)
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