【自由研究】氷が早く溶けるのは水中か空気中か ちょっとした実験が子どもの好奇心を養う

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①研究の目的……何を研究したのか
②実験材料……実験に使ったものは何か
③実験方法……どのような実験をしたのか
④結果……結果はどうだったのか
⑤考察……どうしてそういう結果になったと考えるか
⑥参考にした本やURL……この研究の参考にしたものは何か

②の実験材料は、ほかの人でもできるように、必ず数値も書きましょう。二層ドリンクの作り方であれば、「オレンジジュース150mL」のように、材料とその量を書きます。

③の実験方法も、時間や温度などは数値で書くようにします。

④の結果は、表やグラフを使ってまとめると、見た人がわかりやすいですね。「結果」には、実験で得られた事実を書きましょう。氷の実験なら、「氷を入れる前の水の温度17℃」、「1分20秒でとけきった」というように書きます。ここには自分の意見は書きません。

⑤の考察には「なぜそのような結果になったと考えるか」を書きます。前述の氷の実験でいうと、「なぜ水の中の氷のほうが早くとけるか」についてなどです。これは自分の考えなので、間違っていてもかまいません。

小学生の場合、自由研究の参考にするのは書籍や図鑑などがいいと思います。インターネットで調べることもできますが、その場合は、国の研究機関などのウェブサイトがおすすめです。個人のブログなどは玉石混淆で、間違っている情報もあるので注意しましょう。参考にした本やサイトのURLも、最後に書いておきます。

同じ実験をテーマにした入試問題に挑戦!

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近年の中学入試では、実験をテーマにした出題が増えています。単に知識を問うのではなく、考える力を問う問題です。自分の手を動かして実験をした経験があると、これらの問題も解きやすくなります。

家で実験をしたあとは、同じ実験が登場する入試問題にチャレンジしてみるのもおすすめです。難しそうに感じた問題も、意外とすらすら解けてしまうことに気づくはずです。

ぜひ、親子で楽しみながら実験をして、考える力を伸ばしていってください。

尾嶋 好美 サイエンスコーディネーター、博士(学術)

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おじまよしみ / Yoshimi Ojima

筑波大学で15年間にわたり、小中高校生の科学教育プログラムに従事。これまで500名以上の小中高校生の自由研究・課題研究を支援。NHK「視点・論点」で、家庭で伸ばす科学的思考力について解説するなど、小中学生向けの科学教育の第一人者。家庭でできる科学実験の著書も多数。北海道大学農学部畜産学科卒業、同大学院修了。筑波大学生命環境科学研究科博士後期課程単位取得退学。

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