結婚が「10年で半減」中国で何が起きているのか 結婚したい女性たちは「脱中国」を企てている
中国の婚姻件数は9年連続で減少し、10年足らずで半減した。6月に発表された政府のデータによると、昨年婚姻届を提出したカップルは約680万組。記録を取り始めた1986年以来で最低となり、2013年の1350万組からは大幅な減少となった。
2023年の婚姻数は前年に比べれば増えているが、結婚生活が終わりを迎えるケースも増えている。今年第1四半期に結婚したカップルが前年同期比で4万組増えたのに対し、離婚は12万7000組増えた。
調査によると、中国の競争の激しい教育システムに子どもを参加させることの負担の大きさが若者に結婚をためらわせる理由となっている。都市部の女性の経済的な自立度と教育水準が上がったことで、彼女たちにとって結婚は経済的に以前ほど必要なものではなくなった。
一方で男性たちは、結婚する経済的な余裕がないと言う。彼らがその理由に掲げるのは、家や車を持っていなければ交際すら始められないという文化的な圧力だ。
習近平の強権政治が「非婚化」に拍車
過去3年間で強まった不安感でこうした圧力はさらに強まり、家庭を築くことに対する多くの若者の展望に影を落とすようになっている。中国は習近平指導部の下、社会のあらゆる面にわたって管理を強めており、それが婚姻率を一段と押し下げる要因となっている可能性がある。
「将来に自信を持てない状況では、若者が結婚を考えるのはとても難しくなる」。ビクトリア大学(オーストラリア)の上級研究員シウジエン・ポンはそう指摘する。