アジカン後藤、40代は「ちゃんと枯れてていい」 『サーフ ブンガク カマクラ』完全版出した背景

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伊地知潔(Dr)/神奈川県生まれ。インスト・バンド「PHONO TONES」のメンバーとしても活躍。7月19日にはアルバム『SHARE』をリリース(写真:トヨダリョウ)

── 今年でメジャー進出20年。変わらないメンバーでギター・ロックを追求し続けていられる秘訣はなんですか?

後藤:キープしているというよりは、どんどん変わってきている感じもしますけどね。メンバーの関係性も時期によって違うし。音楽に関しては、その都度集まって、できることを探して一生懸命やっているだけです。

振り返ったら、なるほどみたいなことは思うかもしれないけど、当時はみんな夢中で、先を考えてないようなところがある。それでいいんじゃないかなって。最新をずっと積み重ねて、アントニオ猪木さんが言っているように「歩くとそれが道になる」みたいな、そういうイメージ。ほかのバンドもそうなんじゃないかって感じがしますけどね。

喜多:根っこというかね、基本はデビュー当時からそこまで大きく変わってない気がします。コンスタントに長く続ける秘訣みたいのはないのかも。今だって探そうと思えばいっぱい問題はあるんだろうし(笑)、そんな中でも一緒に音楽をしたいって気持ちがあるからやってるし、少なくとも僕はこの4人でライブやったりレコーディングするのが好きだから、ってだけかな。

それと、その時々でメンバー同士でちゃんと話せてるから。特に最近は、みんな結構本音で話すようになっていて、それはいいかなと思ってます。

シンプルな音のよさは、ずっと変わらずにある(伊地知)

伊地知:(ギター・ロックを続けていられるのは)単純に好きだからっていうのもある。コンピュータを使った打ち込みとか、これまでやってないわけではないんですけど、そうすると幅が広がりすぎてしまって、結果すべての音が薄まる気がするんですよね。

僕たちは、1曲に対してどれだけ体力を注げるかみたいなことを大切にしていて。よいフレーズにするために、同じ部分を100回ぐらい演奏したりもする。そこでできたリフを海外にもっていくと、オーディエンスが歌ったりするんですよ。それだけで、世界中の人と音楽で共有できている感じがすごくて。だから、シンプルな音のよさっていうのは、ずっと変わらずにあると思う。

山田:4人で演奏することを楽しいって思う、 またでき上がった曲を全員でいいと思えないと、続けてこられなかったはず。結局アジカンで作るものを、メンバーそれぞれがちゃんと好きなことが続けられている理由だと思います。もちろん、人間的な関係性のよさもあるけど、それも音楽を介して発生したものですから。

── でも20年が経過して、体力の衰えなどもあると思います……。

後藤:最近は、ずっと肩や脇の下を揉んでる。四十肩で手が上げにくくなってますね(苦笑)。突然そうなってきました。

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