アジカン後藤、40代は「ちゃんと枯れてていい」 『サーフ ブンガク カマクラ』完全版出した背景

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── ずっとギターを抱えていますからね。ある種の職業病!?

後藤:そういう蓄積もあるかも。同じ姿勢のままも多いし。体の問題ってやっぱりどうしたって出てくるんですよね。与えられた環境で一番ヘルシーな働き方とか姿勢を見つけていくしかないです。 

喜多建介(G&Vo)/神奈川県生まれ。作曲やメイン・ヴォーカルなども担当。椎名林檎のトリビュート盤で「theウラシマ’S」のギタリストとして演奏したことも話題に(写真:トヨダリョウ)

今のほうが充実してるし、余裕も出ている(喜多) 

── 20年前に戻りたいと思うことはないですか?

後藤:20代の頃は、「明日のことなんて知らねえよ」みたいな感じで歌ったこともありました。だから次の日にライブがあっても「声のことは知らん」とか思っていた部分もあった。今は無鉄砲さはなくなったけど、そんな現状や自分の変化に魅力を感じているところです。

そういう無鉄砲さに惹かれていた人からすると、物足りないかもしれないけど、この歳になると別のところに音楽の豊かさを感じたりするから、 それはそれでいいんじゃないかって気がするんです。まあ無鉄砲な人々は、下北沢あたりに行けばいっぱいいるだろうし(笑)。僕たちは年齢にあった豊かさに向かって進んでいくのがいいんじゃないかなと。

── 年齢を重ねることもまんざらじゃないってことですね。

山田:若い頃のほうがよかったかと言われると、それほどでもなくて。今を大切にしたいですね。

喜多:全国ツアーをする際も、やっぱ昔と同じではこなせない。整体に1カ月に1回通ったりだとか、家でトレーニングしたりするようになりましたね。ここ何年かはお酒も控えるようにしてましたし。でも、若い頃に戻りたいっていう感じがあんまりなくて、今のほうが充実してるというか。ちょっと余裕も出ているから。

伊地知:僕も10年前だったら若さを求めていたのかもしれませんが、今は昔の経験のおかげで失敗しなくなっているから。危機を予想できるようになったというか。20年前はなんでこんなことしちゃったんだろう、なんでこんなこと言っちゃったんだろうっていう失敗がたくさんあるんですよ。その失敗を二度と繰り返したくないなと思います。 

山田貴洋(B&Vo)/静岡県生まれ。これまで多数のシングルの作曲を担当。また他ミュージシャンへの楽曲提供も(写真:トヨダリョウ)
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