アジカン後藤、40代は「ちゃんと枯れてていい」 『サーフ ブンガク カマクラ』完全版出した背景

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── そうすると伊地知さんの感慨もひとしおなのでは?

伊地知:ですね。当時もうれしかったですけどね。自分が子供の頃から通学で使っていた電車が、 曲になることが。しかも、アルバムの広告を貼った電車が走ったり、特製チョロQも作っていただいたりと。今でも大事な宝物になっています。

── 15年前の楽曲と本作のために書き下ろした新曲で構成。その時間の経過で響く音にギャップはありましたか?

後藤:楽曲って、何年経っても繰り返し誰かが演奏できるような、耐性みたいなものがあったほうがいいと思うので、あんまり考えなくていいんじゃないかなって。今のサウンドで録ったら今っぽくなるし。

後藤正文(Vo&G)/静岡県生まれ。 バンド活動のほか、新しい時代とこれからの社会を考える新聞『THE FUTURE TIMES』の編集長、インディーズレーベル『only in dreams』を主宰(写真:トヨダリョウ)

ちゃんと枯れてていいと思って書きました(後藤)

── 新曲はエモーショナルな部分もありますが、年齢を重ねたゆえの重み、深みも感じさせます。

後藤:年老いてきているので、そのぶん青春の角度が違う感じがします。20代の気持ちで、作っちゃいけないなって。ちゃんと枯れてていいんじゃないかみたいな気持ちで歌詞を書きましたね。

── 移り変わりゆく湘南の景色を想像しました。

後藤:そうですね。いろんな人の湘南があるでしょうからね。いろんな形の青春があるし。

── 前作の収録曲も再レコーディングしていますが、15年前の作品と向き合って、感じることはありましたか?

山田:昔はもっと苦労して録っていた気がするところをすんなりレコーディングできたりとか、そういう部分では多少の成長はあるのかなと思いつつ、当時からあるこのバンドのタイトな演奏みたいなのは、わかりやすく出せたんじゃないかな。シンプルなドラム、ベース、ギターで演奏してる作品ではあるんですけど、ロック感っていうか、そのカッコよさを感じてもらえると思います。

喜多:今回の制作を通じて、トレンドも組み入れつつ、自分たちのギター・ロック・サウンドでどういう音を響かせられるか、みたいな話し合いもできたし。今後の曲作りだったり、サウンドの方向性も話に出たので、なんかいい作業だなと思いましたね。

伊地知:15年経つと、江ノ電周辺の街並みも結構変わってきて。例えば、七里ヶ浜にファストフードのチェーン店があったんですけど、 今では別の店になっていて。当時の歌詞に手を加えているんです。時代とともに変わっていく、楽曲に描かれた風景にも注目してもらいたいです。

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