アジカン後藤、40代は「ちゃんと枯れてていい」 『サーフ ブンガク カマクラ』完全版出した背景

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── 先輩バンドは最前線で活躍、下からも数多くのミュージシャンが登場と、ある意味、中間管理職的な立ち位置かと。異なる世代間のやり取り、特に若い世代とのコミュニケーションで気をつけていることは?

後藤:あんまりないですね。今の若い人たちは、僕らの頃より頭がいいというか、人間的にできている人が多い。

喜多:僕らが20代の頃は、上下関係がしっかりしてましたけど、今はあんまりそういうのはないし。破天荒な感じの人もいるのかもしれないけど、会ったことない。皆さん、楽器もうまいし、性格もいい。

後藤:フラットな人が多いからね。いいものはいいしみたいな。ジャンルとかにこだわってない人たちが多くて、 そういうのは逆に見習わなきゃなみたいな。

── 主催フェス「NANO-MUGEN FES.」では国内外のバンドを招聘していました。異文化の方とのコミュニケーションで、大切にしていることは?

後藤:昔だとやっぱ洋楽に、ちょっと引け目を感じることもあったけど、この歳になるとそういうのもなくて。「お互いやるべき場所でやるべきことをやってきたんだよね」みたいな気持ちがあるから。それに対するリスペクトもあるし。

だから今は、日本の何が劣っているみたいな感覚もないし、フラットにいろんな人に接するようにしている。日本人って褒められると謙遜する風潮がありますが、そういうのはやめて、自分のやってきたことを卑下せず対等に接したいと思います。

── よりグローバルな感覚でということでしょうか。

後藤:最近は、アジアのバンドも素晴らしいですし、国がどうとかじゃなくて、誰が何をやっているかで話をするっていうか。いろんなバイアス、偏見を落として、等身大の物差しでいろんな人と話ができるかを大切にしています。

これからもポジティブに転がっていける気がする(山田)

── これからですが、どんな歳の、キャリアの重ね方をしたいですか?

山田:『サーフ ブンガク カマクラ』を好きでいてくれる人がたくさんいることを改めて知ることができたのが、今はうれしくて。本作のツアーを終えたその先に何か見えるものがあるのかなって思います。これからもポジティブに転がっていけるような気がしています。 

(写真:トヨダリョウ)

── カッコいいと思う歳の重ね方を教えてください。

喜多:カッコいいなと思う人は、芯があるけど頑固というわけじゃなくて、しなやかさもあるというか。人に合わせたり、気遣いができる部分も兼ね備えている人ですかね。メンバーも、それぞれにいいところがあるし、見習いたいなって思うこともあるし、逆に真似したくない部分もあるし(笑)。まあ、そこが人間って感じですね。

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