発達障害の子の勉強「実験タイム」でガラッと変化 宿題時間が「イライラに耐える苦行」ではなくなる

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● 自分にとって動きやすい環境、動きにくい環境とはどういうものか?
● 能力を発揮できない状況や言葉は?
● 元気になる状況や言葉は?
● がんばりすぎるとどうなるか?
● 困ったとき、人に助けてもらうといいのはどういうことか?

これらを知るための貴重な「実験タイム」が、勉強や宿題に取り組む時間なのです。

しかし、家庭では勉強や宿題がむしろ親子の関係悪化の引き金になっていることもあります。「宿題がなければこのいざこざがなくてすむのに」「家で勉強を一緒にやると必ケンカになる」とおっしゃる保護者のかたも多くいます。

私とのセッションが「できれば金曜日だと助かります!」と言われることもしばしばあります。そうすると、土日に宿題が残っておらず、穏やかな休日を過ごせるからだそうです。

私にとって、一緒に勉強する時間はチャンスタイムです。なぜなら、見ているだけで子どもに関するいろいろな情報を得られるからです。勉強や宿題の時間を「イライラに耐える苦行」ではなく、「子どものことを知るチャンス!」と捉えることができると、子どもと一緒に勉強に向かう時間が気持ちよく過ごせるようになるはずです。

親子で子どもの取扱説明書をつくっていこう

この「実験タイム」を積み重ねることで、勉強を通じてその子の取扱説明書をつくっていくことができます。実際に、私は生徒にノートを1冊準備してもらって、そこに学習記録と生徒一人ひとりの集中ポイント、よくやる間違い、うまくできたこと、最近力がついてきたところなどを書くようにしています。

おうちでも、子どもを観察していて気づいたことがあったら、子どもと共有してみてください。「立って勉強したほうが宿題が終わるの早いね」とか「おなかがすいていると集中力が切れちゃうから、途中でおやつ休憩してみるのはどう?」などと話してみるのです。

(出所:『発達障害&グレーゾーンの子の「できた!」がふえる おうち学習サポート大全』)

勉強などの学びは、姿を変え、形を変え、一生続くものです。今後、資格試験を受けたり、免許を取ったりするとき、「自分がどういう状況なら理解できるのか」「どんな先生を選ぶといいのか」「どういう覚え方や解き方の練習をすると思い出しやすくなるのか」など、自分自身の取り扱い方がわかっていれば、一生役に立つはずです。

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