屋内退避の南相馬で何が起きているか--弱体化した医療の回復へ、現場の努力が続く


 相馬市のNPO法人ひまわりの家は四つの作業所を持ち、精神障害を持つ人など約90人の利用者を受け入れている(下写真)。中には、南相馬市内の精神科病院に通院していたり、病院が運営するグループホームで生活していた人もいる。

同じ相馬市の公立相馬総合病院では、震災後、福島県立医科大学の支援を得て、全国から精神科医の派遣受け入れが実現。院内の診療室を活用して診療が始まっている。精神科医は避難所でも巡回診療を実施。治療が必要な人を見つけ出し、病院での診療につなげている。

 もっとも、こうした取り組みが将来にわたって、続くわけではない。ひまわりの家創設者の村松恵美子・相馬市議は、「ぜひとも精神科の医療機関に相馬市内へ来てほしい」と要望。ボランティアとして相馬市で活動する福島県会津保健所の尾形眞一氏は、「相双地域では精神科の入院機能を回復させることがぜひとも必要だ」と指摘する。

この間ずっと、政府は住民に向けて、「安全な所に避難してください」と言うばかりで、病気を持つ人への有効な支援策を講じてこなかった。精神疾患を持つ人たちは、そのシワ寄せを一身に受けている。

(岡田広行 =週刊東洋経済2011年4月30日−5月7日合併号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。



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