福島県飯舘村は政府への不満を抱えつつ「全村避難」の準備開始、村紹介の書籍を刊行し支援呼びかけ

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 しかも、区域指定は村民の間に不安感を高めている。そこで、村役場は情勢説明も兼ねて、29日、全村民に各3万円の見舞金を配布することを決定。通常、この種の現金給付は口座振替を活用しているが、今回は役場職員が全家庭を訪問して直接配布する。その作業を通じて、「住民との接点を作り、住民と向き合って情勢を報告し、住民の声を聞いて回る」と菅野村長は言う。

同時に、今、策定を急いでいるのが「飯舘村、帰村、夢プランだ」。前述した避難後の防犯・治安対策などを含めて、村が従来、築き上げてきたたコミュニティー機能を生かしつつ、全村民で結束して帰村するための計画を作り上げる方針だ。

そのためにも、飯舘村が行っているのが義援金の募集だ。その一環として、同村はこのほど、『までいの力』(企画編集:「までい」特別編成チーム、発行:SAGA DESIGN SEEDS、税込み価格2500円)と題し、飯舘村を紹介する書籍を発行した。タイトルにある「までい」とは、この地の方言で「心を込めて」「丁寧に」という意味の言葉であり、飯舘村が長く、村の標語としてきたもの。本書の販売収益は、同村復興のために役立てられる。詳細は飯舘村公式ホームページ(http://www.vill.iitate.fukushima.jp/)をご覧いただきたい。

(浪川 攻 =東洋経済オンライン)

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