まずは設備の充実度に驚かされた。広い敷地内には、フルサイズのサッカー場、テニス、ネットボールコート、プール、グラウンド、ジム、500人収容のホール、寮などがゆったり配置されている。学校内の教室は科目ごとに分かれており、生徒は授業ごとに教室を移動しながら学習する。
マレーシアの学校に見られる傾向として、学費が高いほど、芸術やスポーツに力を入れる学校が増えるようだ。
芸術、スポーツ分野に力点
当校も同様だ。マレーシアでは珍しく、芸術やスポーツ分野に力を入れているほか、きめ細かい生徒へのサポートが充実している。
とくに芸術分野には力を入れている。アート系の授業を行う教室は広大で、3Dプリンターほか、数々の設備を設置。学校の各所は生徒の作品で彩られている。
音楽も盛んだ。500人収容の大きなホールを併設し、毎年7月には大規模な「スクールプロダクション」が行われ、ここ数年はずっと「美女と野獣」などのミュージカルを上演している。準備には半年かけ、メイクからオーケストラまで、すべて生徒たちが自分で行う。学校全体でひとつのものを作りあげる。
学校では生徒たちに楽器を習うことを奨励している。毎週火曜日にはランチコンサートが行われ、学生達が音楽を発表する場になっている。
「たとえば、学校になじめず苦労していたオーストラリア人生徒に、音楽教師がフルートを演奏することを勧めました。彼女は半年で火曜日のコンサートで演奏するまでに上達し、いまではそれが彼女が学校に来る大きなモチベーションになっています」
こう話してくれたのはマネジャーのエリシア・オン・イン・イーさん。
このようなきめ細かい対応を可能にしているのが、チューターと呼ばれる制度。すべての生徒にはチューターの先生が10人の生徒のグループを見る。毎週、自分のチューティ全員と会い、学校生活に問題がないかどうかをチェックする。
「チューターの先生は、自分の10人のチューティ全員に、授業についていけているか? トラブルを起こしていないか? 学校を楽しんでいるか? などということを毎週直接聞き、問題があれば補講をするなどして解決します。チューティの10人は小さな家族みたいなもので、一緒に食事をしたりしてコミュニケーションをとります」(エリシアさん)
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