日本の最低賃金「欧米レベル」になれない5大原因 国際標準並みに高くなる日はやってくるのか

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(写真:freeangle / PIXTA)

最近になって、日本の賃金に関する情報が相次いで発表され話題になっている。例えば「OECD (経済協力開発機構)」が7月11日に発表した「2023年雇用見通し(Employment Outlook 2023)」では、日本の「最低賃金」の伸び率は、OECD加盟国平均の3分の1にしか満たないことが明らかになった。

さらに、厚生労働省が7月7日に発表した、5月分の毎月勤労統計の「現金給与総額」によると、春闘で30年ぶりともいわれる上昇幅を見せたものの、消費者物価上昇率をひいた「実質賃金」の上昇率は前年比「−1.2%」となり、相変わらず賃金は伸びていないことを裏付ける形となった。

日本人の賃金が国際標準並みに高くなるのはいったいいつなのか……。専門家の中にはまだ当面無理、と言う人も多く、人手不足と叫ばれながらも、一向に上がらない賃金が我々の生活を追い詰めている。日本の賃金にまつわる最新事情を考えてみたい。

最低賃金は韓国より低く、欧米先進国の3分の2?

OECDの「2023年雇用見通し」で注目されたのが、日本の最低賃金の伸び率が大きく見劣りしていることだ。名目賃金、実質賃金ともに平均値の3分の1にとどまり、現在政府は「全国加重平均1000円」を目指しているが、実現しても他の先進国とは大きな差がある。

そもそも、日本の最低賃金は先進国の中では大きく見劣りしている。直近のデータでは、2023年1-4月平均の為替相場をもとに円ベースに換算した数値が発表されている(日本総研「全国平均1000円超時代の最低賃金の在り方」)。

フランス……1386円
ドイツ……1285円
英国……1131円
韓国……991円
日本……961円
アメリカ(カリフォルニア州)……2000円
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