カワサキ「ZX-4Rシリーズ」400cc・4気筒に歓喜 7月15日発売、なぜここまで注目を集めるのか?

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また、シフトチェンジ時にクラッチレバーの操作が不要な「KQS(カワサキクイックシフター)」も採用する。これは、一般的にクイックシフターと呼ばれるもので、もともとは、レーシングマシン向けだったが、近年は多くの市販車にも搭載例が増えている機構だ。サーキット走行などでは、スムーズな加速とクイックでイージーな減速を実現。また、渋滞路はもちろん、ツーリングなどの長距離走行時でも、クラッチ操作を頻繁に行う必要がないことで、ライダーの負担を軽減してくれる。しかも、このモデルが採用するKQSは、シフトのアップとダウンの両方に対応するため、ライダーは加速時と減速時の両方で、よりライディングに集中することが可能だ。

シフトダウンで効果を発揮するオートブリッパーを搭載

走行イメージ
ZX-4RRの走行イメージ(写真:カワサキモータースジャパン)

さらに、減速時のシフトダウンでエンジン回転を自動で合わせてくれる「オートブリッパー」機構も付いている。これは、例えば、ヘアピンなどの急なコーナー手前で、減速とともに6速から1速へギアを落とすなど、サーキット走行などで急激なシフトダウンを行うときに効果を生む。通常、クラッチレバーを握りギアを一気に落とす操作の際は、エンジン回転もかなり落ちるが、そこから再びクラッチをつなぐと、低いギアに落としたこともあり、エンジンの回転は急激に跳ね上がり、過度なエンジンブレーキがかかることがある。そうなると、後輪はスリップなどを起こしやすくなり、車体も安定しない。最悪な場合、転倒することもある。

正面から見たZX-4RR
正面から見たZX-4RR(写真:カワサキモータースジャパン)

そこで、従来のバイクでは、シフトダウンと同時にアクセルをあおり、エンジン回転数を下げすぎないようにして、エンジンブレーキをマイルドにしていた。「ブリッピング」というテクニックだ。オートブリッパーは、そうしたライダーの操作をバイクがやってくれる機構となっている。

人が行うブリッピングは、アクセル、ブレーキレバー、クラッチレバー、シフトペダルの各操作を、ほぼ同時にやる必要がある高度なテクニックだ。初心者などにはハードルも高く、慣れていないと危険ですらある。

一方、オートブリッパー付きKQSであれば、クラッチレバーやアクセルの操作が不要となるため、減速やシフトダウンの操作に集中できる。これは、初心者だけでなく、ベテランライダーにもうれしい機構だ。しかも、ギアを一気に落とすことで急激なエンジンブレーキが発生してしまうシーンは、なにもサーキットだけに限らず、一般公道でも起こりうる。そういった意味で、この2つの機構は、スポーツライディング時はもちろん、街中やツーリングでも、より安心感の高い走りに貢献するといえる。

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