「社会のために働きたい人」はなぜ増えたのか? 藤沢烈と駒崎弘樹、「企業×復興」を語る<1>

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駒崎震災後は、さらに空気の変化が感じられますね。烈さんの今度の本(『社会のために働く』)を読んで、その変化を感じているのは自分だけじゃないんだなと。世の中は変わりつつあって、われわれは今、その大きな過渡期の中にいるんだな、というのを感じました。

企業がより深く、社会的な活動をする時代に

藤沢うちもそうですが、フローレンスもいろんな方が「働きたい」と集まってくるんじゃないですか?

駒崎弘樹(こまざき ひろき)●1979年生まれ、慶應義塾大学卒業。2004年にNPO法人フローレンスを設立し、日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスを首都圏で開始。 2010年からは空き住戸を使った「おうち保育園」を展開。現在、厚生労働省「イクメン・プロジェクト」推進委員会座長、内閣府「子ども・子育て会議」委員等を務める。著書は『「社会を変える」を仕事にする ~社会起業家という生き方』(英治出版/ちくま文庫)ほか多数。

駒崎そうですね、採用に関しては全然おカネを使っていないのですが、優秀な方たちが自分から来てくれます。「給料はこれまでの半分になるけれど、やらせてくれ!」みたいな、“志”で来てくださる方もいて、本当にありがたいなと。

それは、ここ10~15年で起きたいちばん大きな変化ですよね。それまではNPOというと「ビジネス? おカネ? 汚い!」みたいな認識の人が多くて(笑)、企業とは深い断絶がありました。それが少しずつ近づいてきて、今やベンチャー界隈の人たちとNPO界隈の人たちって、人種的にオーバーラップしている。

それを考えると、今の10年後はもっと面白く変化するんじゃないかと思うのです。今の“当たり前”を覆すような変化が訪れるに違いない。すごくワクワクします。

藤沢うちも、もともと外資系のメーカーで日本の支社長をやっていた人が転職してきてくれたのですが、「なんで(RCFに)来たのですか?」と聞いたら、「未来の社会では企業がみんな、より社会的な活動をするようになる。自分は一歩先に、そこに行っているだけだ」というのです。

駒崎おお、烈さん、けっこうバンバンいいこと言いますね! 会場のみなさん、どんどんツイートとかしてください(笑)。

藤沢駒崎さんがやると炎上するからな~。

(会場笑)

駒崎僕が炎上するのは、基本的に「社会に問いを投げかける結果」です。キレイな言い方をすると、そういうことだと思ってます。

(会場笑)

やっぱり、言うべきことは言わないといけないから。NPOとかソーシャルビジネスって、ぼくはある意味「闘い」というか、運動の側面って絶対にあると思うのですよ。(次回に続く)

(撮影:梅谷 秀司)
 

大塚 玲子 ノンフィクションライター

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おおつか れいこ / Reiko Otsuka

主なテーマは「いろんな形の家族」と「PTA(学校と保護者)」。著書は当連載「おとなたちには、わからない。」を元にまとめた『ルポ 定形外家族』(SB新書)のほか、『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』(教育開発研究所)『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版)『オトナ婚です、わたしたち』(太郎次郎社エディタス)『PTAをけっこうラクにたのしくする本』(同)など。テレビ、ラジオ出演、講演多数。HP

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