「社会のために働きたい人」はなぜ増えたのか? 藤沢烈と駒崎弘樹、「企業×復興」を語る<1>
駒崎:震災後は、さらに空気の変化が感じられますね。烈さんの今度の本(『社会のために働く』)を読んで、その変化を感じているのは自分だけじゃないんだなと。世の中は変わりつつあって、われわれは今、その大きな過渡期の中にいるんだな、というのを感じました。
企業がより深く、社会的な活動をする時代に
藤沢:うちもそうですが、フローレンスもいろんな方が「働きたい」と集まってくるんじゃないですか?
駒崎:そうですね、採用に関しては全然おカネを使っていないのですが、優秀な方たちが自分から来てくれます。「給料はこれまでの半分になるけれど、やらせてくれ!」みたいな、“志”で来てくださる方もいて、本当にありがたいなと。
それは、ここ10~15年で起きたいちばん大きな変化ですよね。それまではNPOというと「ビジネス? おカネ? 汚い!」みたいな認識の人が多くて(笑)、企業とは深い断絶がありました。それが少しずつ近づいてきて、今やベンチャー界隈の人たちとNPO界隈の人たちって、人種的にオーバーラップしている。
それを考えると、今の10年後はもっと面白く変化するんじゃないかと思うのです。今の“当たり前”を覆すような変化が訪れるに違いない。すごくワクワクします。
藤沢:うちも、もともと外資系のメーカーで日本の支社長をやっていた人が転職してきてくれたのですが、「なんで(RCFに)来たのですか?」と聞いたら、「未来の社会では企業がみんな、より社会的な活動をするようになる。自分は一歩先に、そこに行っているだけだ」というのです。
駒崎:おお、烈さん、けっこうバンバンいいこと言いますね! 会場のみなさん、どんどんツイートとかしてください(笑)。
藤沢:駒崎さんがやると炎上するからな~。
(会場笑)
駒崎:僕が炎上するのは、基本的に「社会に問いを投げかける結果」です。キレイな言い方をすると、そういうことだと思ってます。
(会場笑)
やっぱり、言うべきことは言わないといけないから。NPOとかソーシャルビジネスって、ぼくはある意味「闘い」というか、運動の側面って絶対にあると思うのですよ。(次回に続く)
(撮影:梅谷 秀司)
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