トランプ氏は2024年、米大統領に返り咲くのか 共和党予備選は有力対抗馬が伸びず逃げ切りも

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各候補は自らの政党勝利を優先し早期撤退するのではなく、支持してくれた有権者に配慮し、自らの資金が残っている限り選挙戦に居続ける可能性も大いにある。

2016年大統領選の共和党予備選のように、トランプ氏に対抗する候補の間で票が分散し、トランプ氏が最終的に「漁夫の利」を得ることもありうる。

新たな有力対抗馬は現れるか

共和党予備選初戦となる2024年1月15日のアイオワ州党員集会は約半年後に迫っている。選挙戦はまだ始まったばかりであり、現時点で予備選を含め大統領選の結果を断定するのは時期尚早だ。

今後の注目は、デサンティス氏失速が続いた場合、共和党主流派などが望むトランプ氏の対抗馬がデサンティス氏から他の候補に切り替わるかどうかだ。選挙資金確保で後れを取ることになるが、まだ今からでも大統領選への出馬は間に合う。

共和党献金者などが改めて注目し始めているのがバージニア州のグレン・ヤンキン知事とジョージア州のブライアン・ケンプ知事。ヤンキン氏は5月に、今年は出馬しない意向を示していた。とはいえ、今後1カ月程度でデサンティス氏の挽回が見られなければ、ヤンキン知事も出馬に踏み切る可能性はあろう。

仮にヤンキン氏とケンプ氏のいずれか、または両方が出馬表明すれば、共和党予備選の勢力図は大幅に変わると思われる。

大統領選では伝統的に現職が有利である。しかし、民主党の現職バイデン氏の支持率が低迷する状況下、次期大統領選は接戦も予想される。

さらには超党派の政治団体「ノー・ラベルズ」の支援などを受け、第三政党の有力候補が出馬した場合、バイデン氏から票を奪い、結果的に共和党候補の当選を助けることもありうる。

渡辺 亮司 米州住友商事会社ワシントン事務所 調査部長

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わたなべ りょうじ / Ryoji Watanabe

慶応義塾大学(総合政策学部)卒業。ハーバード大学ケネディ行政大学院(行政学修士)修了。同大学院卒業時にLucius N. Littauerフェロー賞受賞。松下電器産業(現パナソニック)CIS中近東アフリカ本部、日本貿易振興機構(JETRO)海外調査部、政治リスク調査会社ユーラシア・グループを経て、2013年より米州住友商事会社。2020年より同社ワシントン事務所調査部長。研究・専門分野はアメリカおよび中南米諸国の政治経済情勢、通商政策など。産業動向も調査。著書に『米国通商政策リスクと対米投資・貿易』(共著、文眞堂)。

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