新幹線の本数は、なぜ週の後半に増えるのか 運行ダイヤでわかる日本人の行動

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つまりJR東海は「のぞみ295号」の直前となる4分前の6時43分に東京駅を出発する「のぞみ201号」(新大阪駅行き。休日は運休)、そして直後となる3分後の6時50分に同様に出発する「のぞみ7号」(博多行き。毎日運転)だけでは輸送需要に応えられないと判断して、6時47分に増発を実施しているのだ。

「のぞみ295号」のような列車は数多く、しかも運転日は列車ごとに違う。この結果、ダイヤは日ごとにまちまちで、「時刻表を見ないと利用できない」どころか「時刻表を見てもよくわからない」状態を呈している東海道新幹線のダイヤが日ごとにどの程度異なっているのかについて、2015年5月を例に調べてみた。

調査に当たっては、新大阪駅方面の下り列車で、なおかつ東海道新幹線で最も多くの列車が設定されている新横浜駅~小田原駅間を通過する列車を対象とし、各列車の始発時刻をもとに時間帯別に本数を集計している。

なお、6時台から9時台まで、10時台から15時台まで、16時台から22時台の3つの時間帯は公式な分類方法ではない。

列車の運転状況がちょうどこれら3つの時間帯で入れ替わっているように見受けられたために設けたものだ。

表でわかるとおり、ダイヤは5月1日(金)から31日(日)までの1カ月間で見事にまちまちであった。

1日を通じての列車の運転本数は、最も多い2日(土)が198本、最も少ない11日(月)が152本と実に46本もの差が生じている。

東海道新幹線の1列車当たりの定員は普通車が1123人、グリーン車が200人、合わせて1323人であるので、2日と11日とを比較すると輸送力は普通車で5万1658人分、グリーン車で9200人分の計6万858人分も変化しているのだ。

終日の列車の運転本数をつぶさに眺めると、

5月14日(木)、21日(木)が174本、

4日(祝・月)、8日(金)、20日(水)が169本、

13日(水)、24日(日)、27日(水)、31日(日)が164本、

19日(火)、23日(土)、26日(火)が162本、

18日(月)、30日(土)が155本、

7日(木)、9日(金)が153本

と、本数の同じ日自体は存在することがわかる。

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