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五輪に不安「フランス暴動」発生1週間も止まぬ深層 警察官によるアルジェリア系少年の射殺がきっかけ

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  • 安部 雅延 国際ジャーナリスト(フランス在住)
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クロムセキュリティは、今起きている暴動と抗議活動の一環としており、「フランス政府は警察内の人種差別を根絶しなければならない。さもなければアノニマス集団がデモ参加者を後押しすることになるだろう」とツイートで警告した。

治安当局者は、SNSが世論や暴動に大きな影響を与える現実に直面している。フランスは長年、受け入れた移民による社会の分断に対して、効果的な対策を講じることができていない。国連はフランスで起きている人種差別について調査に入ることを表明した。

BLM運動と重ね合わせる報道も

海外メディアは一斉に今回の暴動を伝えているが、2020年にアメリカでブラック・ライブズ・マター(BLM)運動のきっかけとなったジョージ・フロイド氏の死と重ね合わせる報道も目立つ。

ニューヨーク・タイムズは見出しで「マクロン氏に新たな課題を突きつけられる」と報じ、英米のジャーナリストは「暴力的なデモは完全に不当であると非難する前に、まず警察官の至近距離での銃撃を説明できないのはおかしい」と指摘している。

7月4日、アメリカのCNNのインタビューに答えたルメール財務相は「フランスの魅力が暴動で傷ついたのではないか」という質問に、「暴動は国の成長と魅力に何の影響も与えない」と答えた。「フランスは世界で最も人気のある観光地の1つであり、私たちはそれを維持するためにあらゆる努力をしている」と述べた。

今回、ナンテールの住民で暴動を目撃した白人フランス人の1人が「フランス人であることが恥ずかしい」と言ったのが、筆者には印象的だった。

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