五輪に不安「フランス暴動」発生1週間も止まぬ深層 警察官によるアルジェリア系少年の射殺がきっかけ
パリ西郊外ナンテールで6月27日、交通検問中に警察官に従うことを拒否した17歳のアルジェリア系の少年が警察官によって殺害されて以来、フランス全土で暴動が勃発して7日以上が経つ。
暴動参加者は被害者と同じ17歳前後のアラブ系・アフリカ系移民の青少年が全体の3割以上を占め、標的は全国自治体の市庁舎、警察署、路線バスなどで、フランス内務省によれば、拘束された人数は3500を超え、鎮圧に当たった治安部隊で700人以上が負傷した。
外国人観光客が行き交うパリのシャンゼリゼ通りでも暴徒と治安部隊の衝突が起きた。フランスメディアは暴動が治まる予測が立てられないとし、今後も散発的に暴動が全国各地で起きる可能性を指摘している。今秋にはラグビーのワールドカップが開かれる予定で、来年にはパリオリンピックの開催も控えているが、不安の声が上がっている。
政府は平静を呼びかけているが…
マクロン大統領は上下両院の議会議長や関係閣僚、さらには暴徒の標的となっている220の自治体の首長を招集し、危機対策会議を行っている。すでに今月2日には全国に4万5000人の治安部隊を動員し、政府は平静を呼びかけているが、いつ収束するかわからない状況だ。
注目点の1つは身柄を拘束されている拳銃を発砲した警察官への司法判断の行方だが、時間がかかるとみられる。
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