60代「貯金ゼロ」世帯が増加!今見直すべきこと 年金、家計など勘違いしがちなポイント多数
事故や火災などの損害は金額が大きく、貯金ではカバーできないことも多い。そのため損害保険に加入しておくのは正解だが、過剰な備えには問題があるという。
「損害保険に複数加入しても、手厚く掛けた保険金が全額支払われるとは限りません。
生命保険は複数加入でも契約どおりですが、損害保険の場合は『実損てん補』といって実際の損害をカバーする仕組みなので、手厚く掛けても損害額を上回る保険金は支払われないのが原則。
知らずに複数加入しているケースも含め見直して一本化し、保険料のムダを省きましょう」
【ローン】に関するマチガイ常識
持ち家で住宅ローンを抱えているものの、低金利だから繰り上げ返済は意味なし。そう思っていたら要注意だ。
「老後に住宅ローンが残っていると、現役時代より収入減に陥る家計を圧迫することになります。低金利といっても銀行の預金金利を上回っています。
銀行に預けっぱなしのお金があったら、定年前に繰り上げ返済に回し、住宅ローンを完済しておくのが賢明です」
高齢になると賃貸物件を借りられないリスクがある。そこで早く持ち家を入手すべく住宅ローンを組むと、思わぬ落とし穴が潜んでいることも。
「夫が重篤な病気にかかって働けなくなり、住宅ローン返済に行き詰まるケースです。私の相談者の例では50代に見られました。持ち家の選択は間違っていませんが、50代なら万が一に備えておくべきでしょう。
毎月のローン返済をできるだけ抑える、『がん団信(所定のがんと診断されたときに以降の残債が免除される保障)』に加入するなどの策が考えられます」