60代「貯金ゼロ」世帯が増加!今見直すべきこと 年金、家計など勘違いしがちなポイント多数

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年を取れば生活費は自然と減るから暮らしは楽になる

老後の家計支出は教育費を除いた現役時代の約7割といわれている。ただ生活コストが下がるからといって、暮らしが楽になるわけではない。

「老後に働いたとしても、収入は現役時代より落ちます。そして働けなくなったら年金や貯蓄が頼みの綱になります。収入源が少なければ苦しい生活を強いられるのです」

黒田さんの相談顧客の中には、老後に住民税や固定資産税を支払えず滞納し、財産を差し押さえられた例も。

「そういった事態を防ぐには、50代になったら家計支出をダウンサイジングして過ごすこと。あらかじめ訓練しておけば、老後のやりくりは楽になるでしょう」

貯金ができないのは「収入が低い」せいだから仕方ない

“低収入=貯まらない家計”と考えがちだが、では収入が高ければ貯まるのだろうか。

「『支出の額は、収入の額に達するまで膨張する』。イギリスの学者が唱えたパーキンソンの法則と呼ばれるものです。

収入が高ければその分支出も必然的に増えてしまい、どちらにせよ貯蓄は難しいということです」

貯まる家計と貯まらない家計の違いに、収入は関係ないと指摘する黒田さん。

「両者を分けるのはお金に対する意識の高さです。なぜお金を貯めるのか、いつまでにいくら必要なのか。貯蓄意識が高い世帯は目的と目標を明確に持っています。その差により、収入が高くても貯まらない家は貯まらず、低くても貯まる家は貯まるのです」

【年金】に関するマチガイ常識

夫が亡くなったら妻は遺族年金で暮らせる

夫に先立たれた場合、妻など残された家族には遺族年金が支給される。その金額を勘違いしがちだ。

「公的年金は、国民年金(基礎年金)と厚生年金で構成され、合計金額が老後に支給されます。夫が会社員の場合、妻に遺族年金として支給されるのはその厚生年金部分の4分の3です。これを国民年金部分も含めた総支給額の4分の3と思っている人が多い

例えば、夫の年金額が18万円で国民年金6万円、厚生年金12万円の内訳だったとする。正しい支給額は12万円の4分の3で9万円だが、18万円の4分の3で13万5000円と誤解しがちだ。

「人によっては生活していくのに不十分ということもあり得ます。現実を知り、自力で備えておかなければならないわけです」

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