日本経済の行方、原発事故長期化が重荷、復興需要頼みには限界も

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戦前まで花街として栄えた東京・神楽坂。裏通りに一歩足を踏み入れると、そこには石畳の路地が残り、往時を想起させる。

この街にはもう一つの顔がある。別名「プチ・パリ」。日本に住むフランス人の一大コミュニティが形成されているのだ。瀟洒(しょうしゃ)なフレンチレストランが軒を連ね、近くにはフランス人学校の「リセ・フランコ・ジャポネ・ド・東京」や、フランス語教育などを手掛ける仏政府の公式機関、「日仏学院」もある。

ところが、東日本大震災を境に、この街から多くのフランス人が一時、姿を消した。地元の某レストランの店長が打ち明ける。「いなくなったのはフランス人だけじゃない。中国人や韓国人も見掛けなくなった」。

外国人が東京を離れたのは原発事故に伴う放射性物質拡散を恐れたためだ。在日仏大使館広報部によると、首都圏在住のフランス人は震災前の約6000人から震災後は一時、2500人まで減った。減少の内訳は本国への一時退避が1500人で、隣国や関東以西への避難がそれぞれ1000人を数える。

海外からの観光客も日本を敬遠。そうした動きは東日本にとどまらず、西日本にも広がる。外国人の大量出国で、外食産業は働き手不足という事態に陥った。


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