子どもに「信頼される大人」の4つの話の聴き方 傾聴カウンセラー・辰由加さんに聞く

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とはいえ、親御さん自身が混乱することもありますよね。たとえば、子どもに「すこし話そうよ」と言っても拒絶されると、「こんなに一生懸命やっているのに、なんなのよ!」と怒りが爆発することもあるでしょう。怒りは「第二感情」だと言われています。もともと持っている「わかってほしい」とか「わかってもらえなくて悲しい」という「第一感情」が、何かのきっかけで瞬時に「怒り」にかたちを変えて爆発するのです。できたら、日頃からモヤモヤしたらすこし立ちどまって「私、今悲しいんだな」とか「私、本当はわかってほしいんだな」などと、自分の気持ちをていねいに拾っていけたらいいですね。

親も自分にマルをつけること、孤立しないこと

そうすると、たとえば子どもに拒絶されても怒りにはつながらず、「この子にとって、今は親を拒絶することが必要なんだな」と、子どもを主役にして受けとめられるようになってきます。そのほうが、親御さんもラクになりますよね。

立ちどまる余裕を持つためにも、親御さん自身がひとりぼっちにならないことが大切です。ご家族でも、同じ立場の親御さんでも、カウンセラーでもいいので、否定されることなく、たくさん話せる「安全領域」を見つけてください。自分にマルをつけること、孤立しないこと。この2つはとても大切なことだと思います。

――ありがとうございました。

 (聞き手/編集・棚澤明子、撮影・矢部朱希子)

傾聴カウンセラー協会 活動紹介
傾聴カウンセラー協会では、傾聴カウンセリングを随時受け付け中。入門としての「傾聴講座」とその修了生に向けた「傾聴カウンセラー養成講座」も不定期で開催しています。NPO法人Smile upでは、毎月第3水曜日に皆さまの声を聴く居場所として事務所(東京都調布市)を開放。

【プロフィール】辰由加(たつ・ゆか)
傾聴カウンセラー協会代表、NPO法人Smile up代表理事。シングルマザーとして3人の子どもを育てる過程で、いじめや不登校、非行などに悩んだことから「傾聴」を学ぶ。現在は、傾聴カウンセラーの養成にも尽力。著書『子ども・パートナーの心をひらく「聴く力」』(秀和システム)。

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