バンダイの「Bトレ」は、なぜ売れ続けるのか 登場から13年、色あせない鉄道ホビー

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そのひとつは販売方法の変化だ。当初、Bトレは鉄道会社が発売元となった商品を除けば、箱を開けるまでどの車種が入っているかわからない「クローズドボックス」の商品として登場した。当時は食玩ブームだったこともあり、コレクションアイテムとして売っていく方向性だったためだ。だが、実際にはコレクションよりも模型の一種として受け入れられたこともあり、ユーザーの声などを反映して2005年からは車種を明記した「2両セット」や「4両セット」などの発売を開始。現在はこちらが主流となっている。

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ジオラマが楽しめる「レイアウトベース」

もうひとつは対象年齢だ。当初Bトレは「対象年齢8歳以上」の商品として発売していたが、途中から「15歳以上」に変更した。玩具には安全のための基準があるが、とがった部品などがあるとこの基準に合わなくなってしまう。そこで、よりリアルさを追求するため、対象年齢を玩具の基準から外れる15歳以上にすることで、細かい部分の作り込みを可能にしたのだ。当初は板状のパーツに簡単に表現されただけだった台車も、現在ではNゲージと変わらないレベルのリアルな部品になった。

さらに大きな転換点といえるのは、Nゲージとして走らせるための動力装置や走行用パーツを自社からも発売するようになったことだ。Bトレは発売当初から、鉄道模型メーカーのKATO(関水金属)がNゲージ化用の専用パーツを発売していたが、10年にはバンダイが自社開発した走行用パーツが登場した。自社でもNゲージ化用の部品までそろえることで「Nゲージ化もできるコレクションアイテム」という当初の位置づけから「かなり鉄道模型寄りになってきた」(近藤さん)ことがうかがえる。

「インフラ整備」も始まった

 この3月、Bトレの商品ラインナップに新たな展開があった。B4サイズのボードにNゲージ規格の線路と、車両のコントロール機能一式を内蔵した「レイアウトベース[N-B4]」の発売だ。車両だけでなく、車両を走らせる「インフラ」の部分にも乗り出したことになる。

過去にも列車を走らせるセットは存在しており、線路とコントローラー、車両をセットにした「E231系山手線運転セット」や、Nゲージとは異なり電池を車両に搭載して走らせる「N700系新幹線「のぞみ」運転セット」などが発売されたが、残念ながらその後に続くシリーズとはならなかった。だが、今回の商品は単に走らせるセットではなく、小さなサイズの上で列車が走るジオラマ作りを楽しめるのが売りだ。

近藤さんはレイアウトベースについて「いままで鉄道模型に興味はあったが、場所を取るんじゃないか、お金がかかるんじゃないかということで躊躇していた方や、すでにBトレは持っているが走らせたことはなかった、といった方に楽しんでもらおうという商品」と語る。

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