バンダイの「Bトレ」は、なぜ売れ続けるのか 登場から13年、色あせない鉄道ホビー

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Bトレインについて熱く語る近藤氏

おもちゃからNゲージの「橋渡し」的なポジションを狙った商品だけに、小学校高学年についてはもくろみに近い年齢層といえるが、30代以上の層はすでにNゲージを楽しんでいる鉄道好きの大人。最初のターゲットよりさらに「目の肥えた」層にも受け入れられていることになる。近藤さんは「デフォルメではなくリアリティに重点を置いたところじゃないかと思います」と、その理由を推測する。

Bトレは車体の長さを縮めたモデルだが、幅や高さはリアルなNゲージと変わらない。それだけでなく、長さを縮める際のデザインにもこだわりがある。「現実に作れないような車両にはしない」ことだ。

近藤さんは「基本的にはドアのサイズを縮めることはないですね。窓もクロスシートの車両なら、当然、人が座れる座席のサイズに合った大きさにするとか、もしこの(Bトレの)車両が実際にあったら、というのを想定してデザインしています」と話す。

幅広い年齢層に受け入れられた理由として、近藤さんはもうひとつ「手頃な価格」を挙げる。車種や販売形態にもよるが、価格は2両セットで1000円台が基本だ。子どもにも比較的買いやすいのはもちろんだが、もうひとつのポイントとして「鉄道会社のグッズとして手頃な価格だった」ことがある。

Bトレは、バンダイが発売元となっている製品のほかに、同社が製造し、鉄道会社が自社のグッズとして発売する形態の商品がある。実は2002年、レギュラー商品の「第1弾」よりひと足早く実質的な最初の商品「第0弾」として販売されたのも、江ノ島電鉄(江ノ電)が発売元となった同社の車両のモデルだった。以来、これまでに全国の鉄道事業者がバンダイと連携し、Bトレを自社のグッズとして発売してきた。

おもちゃから「模型寄り」へ、続いた進化

Bトレの発売当初は「鉄道会社との連携商品を積極的に進めようとは、あまり考えていなかった」というが、最初の江ノ電以降、鉄道事業者とのコラボは順調に増加。今では「10月の『鉄道の日』に合わせたイベントで売れる商品を企画してほしい」といった発注や、「この車両を商品化したい」との話が鉄道会社側から来ることもあるという。「駅の定期券売り場などで売るグッズとして、価格面でお手軽さがある」ところが、鉄道会社のグッズとしても定着したポイントと近藤さんはみる。

鉄道ホビーの1ジャンルとして、また鉄道会社のグッズとしても定着したBトレ。だが、ここに至るまでにはさまざまな転換点もあった。ひと言で言えば「おもちゃ」から、より鉄道模型寄りの商品への進化といえる。

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