バンダイの「Bトレ」は、なぜ売れ続けるのか 登場から13年、色あせない鉄道ホビー

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Nゲージを楽しんでいる層に受けているBトレだが、意外にも買った車両がNゲージ化される率は低く「1割くらいじゃないかと言われています」(近藤さん)。

コレクションの一部のみをNゲージ化する人が多いほか、走行用の部品をその都度走らせたい車両に付け替えるユーザーもいるためという。レイアウトベースの発売によって走らせるユーザーが増えれば、相乗効果でNゲージ化用の部品が売れることも期待できる。

また、車両だけでなく建物などのジオラマ関係についても、もしレイアウトベースの販売が好調であれば検討はしていきたいと言う。

ショーティーでNゲージと互換性があるのはバンダイだけ

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みなとみらい線の車両。長さは半分だがリアルだ

Bトレが登場した2002年当時と比べ、鉄道趣味は「乗り鉄」「撮り鉄」といった言葉が一般化するほどに定着してきた。一方で、Bトレ以外にも「鉄道コレクション」(トミーテック)や「プラレールアドバンス」(タカラトミー)など、鉄道模型の新ジャンルや、よりリアリティを追及した鉄道玩具が登場している。

だが、「ショーティー」であり、Nゲージとも互換性があるというBトレの特徴を持った類似製品は今のところ存在しておらず、ほかの鉄道ホビー系商品とはすみ分けができているようだ。

近藤さんは最近の鉄道系商品の広がりについて「鉄道関連全体が盛り上がっていけば売れ行きも上がるので、ある意味では競合かもしれませんが、ありがたいことでもありますね」と話す。

独自性とこだわりのある商品開発によって「鉄道モノ」の1ジャンルとして確固たる地位を築いてきたBトレ。レイアウトベースという新たな商品の登場を含め、今後の展開も注目される。

小佐野 カゲトシ 鉄道ライター

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おさの かげとし

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年独立。国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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