柏ではルール上、練習を禁止していないので、初心者でギター練習をする人たちもいる。
ただそれは駅前の不特定多数の前でやることなのかどうなのか疑問が残る。
勝手な希望を言えば、スタジオで練習してある程度実力を備えてからしっかりと路上ライブで披露してほしいところだ。
「技量要件」の問題を解決するには、ただひとつ。その場所が「レベルの高いミュージシャンが集うところ」となればいいわけである。
「路上ライブ全体のレベルの底上げは、柏においてもひとつの課題です。うまい人が演奏しているのが評判になれば、まだまだの人はまず練習してからでないと柏の路上には立てないんだなと考えるようになります。より高度な技術をもったミュージシャンが集まってくるという好循環が生まれ、ダブルデッキや駅の利用者もさらに路上ライブの価値を認めてくれるようになります」
YouTubeの企画で有名なプロピアニストが突然、ストリートピアノを弾いてみたといった動画が人気となっているように、当然、技術的にレベルが高い人の演奏はやはり受け入れられる確率が高い。
ヒット曲のある人気ミュージシャンがアンプなしでも、弾き語りを始めればたちまち人が集まるだろう。
「音量要件」「占用面積要件」に続き「技量要件」も人々に支持される路上ライブを成立させるためには重要なものとなるのである。
「柏市としての取り組み」市民の評価は?
では、実際に柏では、トラブルなく運営できているのだろうか。柏市都市部中心市街地整備課に話を伺った。
「クレームはほとんどありません。長くやっているので柏の人たちに路上ライブがうまく受け入れられているのだなと思います」
柏ルールができてから18年間、ダブルデッキではつねに路上ライブが行われてきた。その間、細かいトラブルはあれど大きな問題は起こることなく、駅前の風景として街に溶け込んできた。
路上ライブを聞いていた地元の高校生にも話を聞いたが、「子どもの頃からずっとやっている当たり前の光景なので、気になるとかありません。むしろ楽しいですよ」と話してくれた。
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