日本製車両が活躍「ドバイの鉄道」知られざる進化 世界有数の自動運転路線、人工島にモノレール
ドバイ・メトロは当初から全線で無人自動運転を行っており、開業以来無人運転の路線として世界最長を誇っていたが、現在はシンガポールのMRT路線網にその座を譲っている。とはいえ、全長67kmのレッドラインは、単一路線としては無人運転で世界最長の座を維持している。運行乗務員はいないが、安全確保と緊急事態対応に備えて旅客対応のスタッフは常に同乗しており、ときおり車内などでの検札を行うこともある。
メトロと名乗っているものの、地下部分に設けられている駅は9駅のみで、ほかは高架などの地上駅だ。レッドラインはドバイ国際空港を起点に、ドバイ・モール、ブルジュ・ハリファ、モール・オブ・ザ・エミレーツ、さらに西に進めば地下鉄車内から超豪華ホテル「バージ・アル・アラブ」の威容が望めるほか、2021年に開催されたドバイ万博(EXPO)の開催会場へと通じる。
一方、グリーンラインは空港にほど近い「オールド・ドバイ」と呼ばれるエリアを走る。ゴールドスーク、スパイススークといった歴史的商業エリアを結ぶことから、各駅にはドバイの歴史をテーマにした写真が飾られているほか、駅舎も伝統的な家屋をモチーフにした造りとなっている。
建設も車両も日本企業が参画
ドバイ・メトロで特筆すべき点は、数多くの日本企業が関与していることだ。2005年5月、設計・建設契約をドバイレールリンク(DURL)コンソーシアムが124億5000万UAEディルハムで落札したが、同コンソーシアムは三菱重工業、三菱商事、大林組、鹿島建設などの日本企業各社、およびヤピ・メルケジ(Yapi Merkezi)というトルコ社からなる集合体だ。
開業時に導入された車両も日本製で、近畿車輛が5両編成79本(レッドライン用60本、グリーンライン用19本)を製造した。軌間は標準軌で、第三軌条(サードレール)集電方式。都市内を走る地下鉄車両としては珍しく「ゴールドクラス」というグリーン車のような特別車両を各編成に1両連結している。最初の編成「5001」は2008年3月にドバイに納入、各種のテストや訓練に使われた。
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