日本製車両が活躍「ドバイの鉄道」知られざる進化 世界有数の自動運転路線、人工島にモノレール

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運行にも日本企業が関わっている。2021年9月以降、オペレーションはフランス国鉄(SNCF)を最大株主とするケオリス(Keolis)と三菱重工傘下の三菱重工エンジニアリング(MHIENG)、三菱商事からなる日仏コンソーシアムが担っている。MHIENGが海外の都市軌道交通の運行に参画したのはこれが初だ。

同コンソーシアムは2021年3月に同線の運行・保守業務をドバイ道路交通局(RTA)から引き受け、路面電車「ドバイ・トラム」の運行事業権も同時に取得した。メトロに同乗するスタッフは「Keolis MHI」と記されたストラップと使った身分証を首から下げており、こうしたところで日本企業の名を見るのは日本人として嬉しく感じる。

ドバイトラム
ドバイのトラム。架線のない集電方式を採用し、路面電車ながら駅にはホームドアもある(筆者撮影)

一方、車両は2018年11月からフランス・アルストム製の新型車両「アルストム・メトロポリス(Alstom Metropolis)」50本が増備されている。新型車両の1編成当たりの定員は従来の643人から696人に増えた。全体的な色調や構造は近畿車輛製と似ており、筆者が初めて乗った際には「内装に手を加えたのか」と思う程度の違いにしか感じなかったが、新しい車両には液晶画面が付けられているほか、クロスシートが相対的に少ないといった特徴がある。

アルストム製 ドバイ・メトロ車両
フランス・アルストム製の新車も導入されている。近畿車輛製よりやや角ばった印象だ(筆者撮影)

世界最大の人工島を走るモノレール

ドバイには世界最大の人工島とされるパーム・ジュメイラ島(Palm Jumeirah)があり、ここにはメトロとは別にモノレールが走っている。上空から望むと、丸い堤防状になった島の中にパームツリー(椰子の木)を模した形でいくつもの細長い島が並んでいる様子がわかる。その幹に当たる部分を通るのが、全長5.45kmのパーム・ジュメイラ・モノレールだ。同島とドバイ本土を結ぶ。

ドバイ パームジュメイラモノレール
人工島「パーム・ジュメイラ」とドバイ本土を結ぶモノレール(筆者撮影)

このモノレールは、中東初との触れ込みで2009年4月30日に開業。したがって、ドバイ・メトロよりも数カ月早く走り出したことになる。2006年3月に着工し、2008年7月に軌道が完成、2008年11月に車両試験が開始された。全部で4駅があり、ドバイ・メトロのレッドラインと繋がる駅までの延伸も計画されている。現在は、メトロとは路面電車「ドバイ・トラム」で接続する。

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