「女性にも徴兵制を」韓国で何度も議論沸騰のワケ 男女間のジェンダー対立、それでも平等意識は高まる
女性のジェンダー対立の意識は、出産にもネガティブな影響を与えていた。
ジェンダー間の対立意識は、個人の勤労所得にプラスの影響を与えておらず、婚姻率にも影響を与えていない。しかし、出産についての考え方には違いがあった。男性の場合は影響を受けないが、女性にはネガティブな影響を及ぼしていることがわかった。
最近のジェンダー間の対立は、産業構造の変化や、就職市場に本格的に参入している1990年代生まれの人たちの独特な特性が重なり、より大きくなっている。
「男女は平等」という意識は向上している
重厚長大産業が衰退し、今まで男性たちに独占されていた優良な働き口が減少し、就職をめぐって男女の対立が激化した。ただ、ジェンダー間の対立は深まっているにもかかわらず、国民が感じる男女平等の意識は以前よりも高まっている。
研究者らが2016年と2021年に男女平等の意識調査として、15歳以上の国民(2016年7399人、2021年8358人)を対象に、男女平等について9段階で尋ねた結果、「とても不平等だ」との回答は減少し(「男性にとても不平等だ」0.69%→0.57%、「女性にとても不平等だ」2.37%→1.89%)、「とても平等だ」の回答は22.07%から35.25%と高まった。
5点を「とても平等」、1点を「女性にとても不平等」、9点を「男性にとても不平等」と感じると設定した意識調査も行った。
男女が平等になったという意識の変化は、とくに30代以下の女性に目立ってきた。2016年は20代以下の女性の11.4%が韓国社会は男女平等だと回答したが、この比率は5年後に倍以上に増え26.2%になった。
研究者によれば、「過去と比べ、ジェンダーでの対立が深刻だという社会的な雰囲気がある。しかし実際には、一方の性別が不平等だという考えよりも、平等だという意識が強くなっている」とみている。
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