「非正規の女性」が婚活で直面するつらすぎる現実 まずは就活と婚活、どちらを優先すべきか
かつて、ある恋愛や婚活のメディアから「結婚しない女性が増えた原因」について取材を受けた際に、非正規雇用の女性が増えたことも理由の一つに挙げたのですが、気分を悪くする読者がいるという理由で、その部分は削除されてしまいました。
結婚相談所では、男性の場合は収入や雇用形態で入会が断られることがありますが、女性は無職やフリーターでも登録できます。そういった意味では、非正規雇用でも男性よりは結婚のハードルが低いので、婚活事業者の中には、経済力がなく将来が不安な女性は婚活を優先したほうがいいと言う方だっているでしょう。
しかし、マッチングアプリや結婚相談所では、フリーターの女性は正社員や公務員女性と比較検討されるという現実が待っているのです。
このことを「昔と比べれば働く女性のほうが結婚しやすくなった」程度に思っている方も多いのですが、近年、急速に非正規雇用の女性の結婚が難しくなっています。
「ゼクシィ結婚トレンド調査2022」によると、首都圏在住で結婚式を挙げた夫婦のうち、妻がフリーターというカップルが2016年は9.5%いましたが、2022年はわずか3.1%です。今の花嫁は8割以上が正社員か公務員なのです。
もちろん結婚式をせず入籍したフリーター女性もいるとは思いますが、いまや結婚式は正規雇用カップルの特権となりつつあるのかもしれません。
「自分には正社員は無理」という思い込み
恵さんはかつて、「正社員とは完璧な社会人マナーを身につけた人がなれるもの」と思っていたそうです。アルバイトでも社員と同じ仕事をしているのに待遇に差がでるのは、そういう社会人マナーの差なのだろうと。
実際に社員になって結婚した今、かつての自分に伝えたいことを伺いました。
「フリーター時代は、『正社員は完璧な大人じゃないと採用してもらえない』と思っていたけれど、そんなことはありませんでした。正社員登用があるならすぐにでも利用してほしい。
『責任が重くなるのは嫌だから社員は無理』と言っているフリーターの友人もいます。私も昔はそう感じていました。実際は何もかもを自分で決めるわけではなく、上司に相談すればよいし、責任感よりも基本的なコミュニケーションがとれるほうが重要なので、それができるなら社員は務まると思います」
恵さんに今回の取材を打診したとき、「東洋経済オンラインは私もたまに読んでいます。フリーターのときは読んでなかったけど」と話していました。情報の有無で女性の人生が変わってしまい、雇用形態で分断されるのであれば、ものすごく歯がゆい現実です。
もちろん、正社員になりたくてもなれない苦しい立場の方もいらっしゃると思います。決してフリーターだからダメだということではありません。ただ、もしもチャレンジできる状況にあるならば、そして就活と婚活どちらを優先すべきか迷っている方がいらっしゃるならば、キャリアをまずは考えていただきたいと切に思います。
人手不足が叫ばれる中、多くの業界で有効求人倍率は上昇し、就活もしやすくなっています。ぜひ、結婚したい人ほど今を逃さないで活動していただきたいです。
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