「なぜ推しが好きか」の言語化が超有意義な理由 「好き」は揺らぐ、しかし感情は自分の中に残る
「推しの魅力を語りたい。誰かに伝えたい……」
オタク活動をしていると、一度は抱くこの感情。しかし、尊さのあまり、「やばい」しか言えなくなる人も少なくないのではないでしょうか。
”推し語りのプロ”を自認する書評家・三宅香帆さんは「推しを語るためには、語彙力や文章力が必要だと思われがちですが、それは間違いです。必要なのは、自分の感想を言葉にする『ちょっとしたコツ』。そのコツさえ知れば、あなただけの言葉で推しの素晴らしさを語れるようになります」と語ります。
オタク活動をしていると、一度は抱くこの感情。しかし、尊さのあまり、「やばい」しか言えなくなる人も少なくないのではないでしょうか。
”推し語りのプロ”を自認する書評家・三宅香帆さんは「推しを語るためには、語彙力や文章力が必要だと思われがちですが、それは間違いです。必要なのは、自分の感想を言葉にする『ちょっとしたコツ』。そのコツさえ知れば、あなただけの言葉で推しの素晴らしさを語れるようになります」と語ります。
本稿では三宅さんの書籍『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術』より、一部抜粋してお届けします。
推しに手紙を書きたい!
気合を入れて、ファンレターを書くための便箋を買ってみたり、SNSアカウントを増やしてみたり、ブログを開設してみたりしたはいいけれど。そのあと、あなたはなにをしますか?
「よし、最近めちゃくちゃよかったライブの感想を書くぞ」と思ったとします。
なにから書こうか? うっ、書くことが思いつかない。「よかった」しか言葉がでてこない。じゃあ、セットリストの素晴らしさを書く? すごく聴きたかった曲が聴けたことについて? あ、それともMCのよさ? 推しの衣装について? ああ、なにから書こう。というか、あのライブの一番よかったところってどこなんだろう?
先述したように、たまに「推しの素晴らしさを言語化しようとしても、語彙力がなくて、いい言葉が思い浮かびません」と相談されます。
じつは私も同じです。自分が「推しの素晴らしさを伝える文章」を書きたいと思うとき、大抵まずは頭の中がわーっと騒がしくなっています。
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