「なぜ推しが好きか」の言語化が超有意義な理由 「好き」は揺らぐ、しかし感情は自分の中に残る

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なにが起きても絶対に変わらず好き、なんてほとんどあり得ません。

たとえば、あるアイドルがすごく好きでも、そのアイドルが自分の想像とはまったく違う行為をしていた。すると自分の「好き」がよくわからなくなってしまう、なんて体験もよく聞く話です。

「好き」は、簡単に揺らぐもの

スキャンダルはわかりやすい例ですが、人によっては髪型やメイクを変えるイメチェンや、あるいは意外な趣味を持っていたことすら、「好き」が揺らぐきっかけになり得るかもしれません。

または、すごく好きな映画があったけれど、他人が「駄作じゃん」って言ったのを聞いた途端、急に好きかどうかわからなくなってしまった。これ、映画に限らず本でも漫画でもアニメでも音楽でも、よくあることです。他人がNGをだしているのを見て、急に「好き」が色褪せた経験、あなたにも一度はあるんじゃないでしょうか。

大人になって「好き」が冷めてしまうこともありますよね。昔すごく好きだったキャラクターなのに、大人になるとその魅力がわからなくなる。思春期にハマっていたミュージシャンの歌詞が、社会人になってなんとなくピンとこなくなる。これもよくある現象です。

そう、「好き」って、揺らぐものなんです。揺らがない「好き」なんてない。

自分も生きて変化していくのだから、好みも変わっていくのは当たり前です。もしくは、好きな相手が生身の人間だとしたら、相手だって変わっていきます。自分の思う通りに存在するわけがない。

だから、絶対的な「好き」なんてほぼあり得ないもの。そして「好き」が揺らいだとしても、それを嘆く必要はまったくありません。だって当たり前だから。むしろ揺らがない「好き」なんて、盲目的な執着であって、本当の意味で「好き」なわけじゃないのかもしれません。

「好き」は、一時的な儚い感情である。そんな前提を内包しているんですね。それは悲しいことでもなんでもなくて、そういうものなんです。

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