72歳おひとりさま築40年の家と試行錯誤の暮らし いろいろ不便もリフォームで「住めば都」に

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ところが、「大工は所属していない」とのこと。そんなとき、公的な補助のことを思い出し、区役所に尋ねてみると、「地域包括支援センター」、通称「お年寄りセンター」なる施設を教えてくれました。65歳以上の人には、なにかと助けになる制度、施設です。65歳以上、要介護①②の方には公的な補助が出るとのことです。

私は年齢的な条件は合っていますが、「要介護にはまだ遠い」と思い、それでも連絡したのは、良心的な業者を紹介してほしかったからです。

「実費でもいいのですが……」

「では、業者さんに聞いてみます」との返事。

急な階段も手すりがあると安心安全(写真:マガジンハウス提供)

しばらくすると、「大丈夫、できます」と。その後「せっかくですから、少しでも補助が出る道、方法を探してみましょう」と言ってくれました。

業者、大工、包括センターの3人がわが家に見えたのは寒さ厳しい冬のある日でした。階段を調べた後、センターの方が、「健康状態チェックシート」で、私の健康状態をチェック。

健康だと思っていても、70歳を過ぎるといろいろあるものです。乳がん手術、気管支炎、歯周病、白内障などの状態をチェックしたところ、サイワイ「補助金対象になる」との結果でした。

「要介護」ではなく「予防介護」に相当したのです。7万円程度の費用がその一割(健康保険割合による)、6800円で付けられるという恩恵にあずかることができました。補助だけではなく、この先、なにかと相談できそうで、心強い気持ちです。

一軒家を買って後悔したことも

家を買って以来、試行錯誤しながらも暮らしを楽しんでいることはたしかですが、後悔したことも正直あります。

まず、耐震構造です。日本は地震の国、昭和56年(1981年)には、建築確認申請が受理されるためには「新耐震基準」で建てる義務が生じました。これは宮城県沖地震を踏まえてのもの。わが家は買った当時(2016年)には築40年でしたから、旧耐震基準で建てられたわけなので、この新耐震基準は満たしていないということが心配です。

2つ目は床下などを調べるための「床下収納」がなかったこと。家を購入してから5年目くらいに大工さんに家屋を調べてもらったところ、「床下収納がない!」と驚かれ、「え、床下収納って何?」と始めてその機能、大切さに気づきました。

床下収納は台所などの床下を調べるための「穴」。なぜこの穴が必要かというと、白アリなどの害虫予防のための液剤を散布したり、家屋の状態を調べるための出入り口です。

慌てて床下収納を作ってもらいましたが、この費用、1万5000円。少し痛い出費でした。

購入する前に、住宅の劣化を専門的知識で判断してくれる住宅診断士などにお願いすれば良かったなあ、と今では思います。費用は当時で10万円くらいでしたが、家の購入の際に不動産業者に伝えておけば、この費用も負担してもらえたかと思います。

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