72歳おひとりさま築40年の家と試行錯誤の暮らし いろいろ不便もリフォームで「住めば都」に

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そして最後には「日当たり」です。

わが家を内覧したのは、3月の天気のいい土曜日の午後でした。不動産屋がその時間を狙ったのかどうかは不明ですが、南側のベランダから気持ち良い光がさしていました。

実際に住んでみると、1階のリビングは思ったより暗く、これははっきり言って失敗。夏はまだ明るいのですが、冬は電気を点(つ)けるほどの暗さです。

他に選択肢はなかったので仕方ないことではありますが、余裕があれば内覧する際は、時間帯を変えて何度か訪れるなどの考慮も必要です。

意外なところが不便

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細かい点を言うと、「一軒家は寒い」「細かい埃(ほこり)が溜まりやすい」「電気のコンセントの数が少ない、変な場所についている」などがあります。

密封空間のマンションに比べると、より健康、自然に近くていいという人もいますから、こちらは好み次第ですが、コンセントについては、「どうしてここにないの?」「どうしてこんなところにあるの?」と不便でしょうがない。ここも、あらかじめ調べておけば良かったと思っています。

わが家は2階の部屋にはエアコンをつける位置にコンセントがなく、気づいて指摘すると不動産屋がコンセントを付けてくれました。何ごとも調べたうえで、交渉してみることですね。

それでも、住めば都。

手を入れていくうちに愛着のある空間になっていったのはたしかです。中古を破格の値段で購入し、自分好みに育てていく人も徐々に増えています。ネットで見ると、ビフォー・アフターのあまりの変わりように驚くこともあります。もっと若かったら、こんなふうに「家育て」を楽しみたいなと思いました。

家の後悔、先に立たず。隅々まで念入りに。

シロアリ駆除の際などに必要であろう床下の入り口は、引っ越した後に工事(写真:マガジンハウス提供)
紫苑 フリーランサー

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しおん / Shion

1951年生まれ。牡羊座。地方新聞社勤務を経てフリー。2年前のコロナ禍のなか年金の少なさと向き合い、対策を考える。2020年3月から「月5万円年金生活」を実行しはじめブログにアップ。美味しく健康にいい月1万円レシピや、リメイクおしゃれ、百均DIYなど、お金を遣わなくても楽しめる工夫の数々を紹介。反響を呼び、新聞、雑誌、テレビなどでも取り上げられる。少ない年金でも安心して暮らすためのノウハウや生活スキルを知ってもらうため、日々活動している。

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