フリーライター45歳の彼女が「離婚」で得たもの 「男が女を養うもの」という価値観が変わった

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「夫は元妻のもとに子どももいるので養育費を支払っています。ですが、養育費をきちんと払っていてもやはりお金の話になるようですよね。面会日ごとの交通費や食費、また子どもから『おもちゃ買って』『漫画が欲しい』など言われるとつい親心から買ってしまうので細々とした出費も“チリツモ”になってしまうんですよね。夫は月1回、子どもと面会していて、私もうちに来たときはプレゼントをあげたり、子どもとは付かず離れずの関係を保っています」

離婚を経て、選択的夫婦別姓の必要性を感じるように

離婚をした2016年はそれまで山村さんが専門としてきたセクシー業界でAV強要問題が勃発したり、親しい友人が亡くなったり、山村さん自身も離婚のストレスから精神科に入院したりと散々な年だったと振り返る。しかし、そのような出来事があって心機一転、新たなジャンルの仕事も増えたのではないかと語る。もともとアダルト関係の記事を書いていたことから、クライアントが頼みやすいのか、性教育関係の書籍のブックライティングの依頼もくるようになった。

現在は再婚相手の夫と穏やかな暮らしをしている山村さん。夫の好きなところは客観性があるところだという。また、コロナ禍で夫がテレワークになり、家事の分担も増えた。お互いの予定はグーグルカレンダーで共有して予定が見えるようにしている。もともとは「男が女を養うもの」といった価値観を持っていた山村さんだったが、離婚したことにより大きく価値観が変わった。また、離婚を経験したからこそ選択的夫婦別姓の必要性を強く感じるようになった。山村さんは今後も健やかに過ごしていくのだろう。

本連載ではアラフォー世代で離婚された人が離婚後にどのような変化があり、どんな生活を送っているかの体験談を募集しております。取材の申し込みは以下(https://form.toyokeizai.net/enquete/tko2210b/)よりお願いいたします。
アラフォー離婚後のリアル 姫野桂
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姫野 桂 フリーライター

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ひめの けい / Kei Himeno

1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをしつつヴィジュアル系バンドの追っかけに明け暮れる。現在は週刊誌やWebなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好きすぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナ。

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