フリーライター45歳の彼女が「離婚」で得たもの 「男が女を養うもの」という価値観が変わった

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また、離婚したことで名字が変わった。会社員だと会社の総務部に名字が変わったことを届け出るだけでいいが、フリーランスとして働いているとさまざまなクライアントにいちいち振込先が変わったことを伝えなければならない。その作業がストレスに感じてしまったという。

「離婚をした場合、多くの女性は名字が変わるので、銀行の通帳や保険証、免許証、クレジットカードなどの名義変更をしなければなりません。女性にだけすごく負担がかかっているんです。だから、早く選択的夫婦別姓の制度が実現してほしいと願っています。すべての人に名字を別姓にしろというわけではなく、変えたい人は変えればいいし、変えたくない人は変えなくていいんですから」

離婚後の人間関係は、離婚のことを友達に相談するようになって、今までより関係が深くなったと語る。しかし、コロナの流行もあり、人間関係は厳選されてきたともいう。元夫ともしばらくは飲み友達だったが、元夫が再婚をしたので疎遠になった。

現在は「事実婚」を選択

それから7年ほど経った頃、マッチングアプリで現在の夫と出逢い、交際して半年で同棲を始めた。現在は事実婚であるが、なぜ法律婚ではなく事実婚を選んだのかと尋ねると、やはり以前の結婚で法律婚をして名字が変わったことへの負担が大きいという。

ただ、事実婚だと相続に関してデメリットがあるので、そこは公正証書を書かなければいけないと思っている。現在の夫とのお金のことは、収入の比率によって割合を決めているという。生活費は完全に折半だが、マンションを買ったので、ローンは夫と山村さんで2:1の比率にしているそうだ。フリーランスがローンを組むのは大変だと聞くが、山村さんの場合、直近3年間の確定申告書を提出し、夫は会社員ということでローンを組めたという。老後のことは本当に不安なので、今は積立NISAで月1万円でも貯蓄するようにしている。

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