コロナ前に働き方が戻る?今感じる「2つの負担」 5類移行で、攻めの経営に転換する企業も続々

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コロナ期間は特殊で、その期間の働き方はイレギュラーであったとは、認識しなければいけないと思います。ただ、自分の意に沿わないのに、強いられそうな負担をすべて甘んじて受け入れなければいけないのか、といえばそうとは限りません。今後の働き方について、上司とすり合わせを丁寧に行い、落としどころを決めていくのがよいと思います。

個別の事情に合わせて、柔軟に対応している企業も

企業は多様な働き方を容認しようと、人事制度の複線化をすすめています。例えば、勤務時間を限定する。勤務地を限定する。あるいはジョブ型で職種を限定する。それに加えて、100人いれば、100人の働き方を容認しようとしている企業も出てきています。そうした取り組みの典型がサイボウズ社の働き方宣言。いわゆる複線型人事制度がフリー選択型になったものです。

コロナ前から取り組みを開始しており、社員が自分で働き方を文章で記述。例えば、

・基本的に9時から17時まで出勤しています
・日によっては18時退社にしても大丈夫です
・月に3日ほど、在宅勤務となる可能性があります

働き方を登録して、グループウェアのプロフィール欄にその情報が表示。その働き方で働けるとのこと。さすがにここまでの自由度を容認する会社は少ないと思いますが、多様な働き方を求める社員の要望に応えられる複線型人事制度の導入や、残業に関しても個別の事情に合わせて柔軟に対応している企業が増えています。

攻めの経営を掲げる「人的資本経営」の文脈においても、多様な働き方の容認は必須です。自分がどのように働きたいのか? 明確に宣言すれば、それをある程度は容認する度量が会社側にも備わりつつあるように思います。

企業としても多様な働き方の容認に向けて、複線型人事制度の取り組みを検討・実施している可能性は高いと思います。そうでなければ、優秀な人材が集まらないからです。経営者の立場からすれば、攻めの経営を宣言しつつも、社員の意向を個別に汲まなければならない状況になってきたのは大変なことです。

でも、社員視点に立てば、それを乗り越えようとする会社であれば、信頼できるし貢献したいという思いも高まるはずです。

逆に、自分の会社は負担を強いるが、多様な働き方は容認してくれない、というケースもあると思います。そんな場合はどうするか。引き続き、日本は慢性的な人手不足です。望む働き方を容認してくれる会社を探し、転職を考えてみる、今回をそんなひとつのきっかけにしてみてもよいかもしれません。

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高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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