ガーシー逮捕で「"高額"動画広告収入」はどうなる 推定1億は「犯罪収益」として差し押さえなるか

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動画配信による収益には、主に広告収入があります。これまでの裁判例では「違法な動画配信」による広告収入も「犯罪収益」に該当すると判断されています。

たとえば、他人の著作権を侵害する映像や画像、音楽などを無断で動画配信して得た広告収入は「犯罪収益」に該当します。

たしかに、広告収入は配信された動画の視聴そのものによる対価ではないため、「違法な動画配信」自体によって取得した収益とは言えないという見方もあります。

しかし、裁判例では、広告の価値は、視聴者が動画を視聴する際に掲示された広告を目にすることにより生じるものであるため、動画配信は広告の不可欠の前提となっていると評価しています。そのうえで、動画配信と広告を一体のものと捉えていて、広告収入も「違法な動画配信」により得た犯罪収益と判断しています(図1参照)。

(画像:弁護士ドットコムニュース)

ガーシーの収益はストレートには犯罪収益にあたらない

ただし、あくまで、この判断は、動画配信自体が犯罪行為にあたることを前提としています。

しかし、今回の事件で問題となっている犯罪は、動画配信自体ではなく、動画配信内でおこなったとされる発言にとどまります。つまり、動画配信自体が犯罪行為にあたるわけではない点で違いがあるわけです。

そのため、ガーシーらが動画配信によって得ていた収益は、ストレートに犯罪収益にあたるとは言えません(図2参照)。

(画像:弁護士ドットコムニュース)
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