レクサスが小さな高級SUV「LBX」に込めた挑戦 オーダーメイドも導入し余裕ある富裕層へ訴求

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ボディサイズは全長4190mm×全幅1825mm×全高1560mm(但し、日本向けはシャークフィンアンテナが備わらず、多くの立体駐車場への入庫が可能になる全高1550mm以下になるという)で、トヨタ「ヤリスクロス」とほぼ同等。少し幅が広いくらいとなる。そして車体の基本骨格も同様に、TNGAプラットフォームのGA-Bを使っている。

車体の基本骨格は「ヤリスクロス」と同じGA-Bだが、多くの変更がなされている(写真:トヨタ自動車)

しかしながら開発責任者、遠藤邦彦チーフエンジニアは「こんなにいいのかというぐらい、元のGA-Bから多くが変更されています」という。実際、足元に225/55R18もしくは225/60R17というサイズの大径タイヤを組み合わせるべく、フロントサスペンションはほぼ設計が見直され、結果的にホイールベースは22mm伸ばされた。

参考までにヤリスクロスのタイヤサイズは最大で215/50R18だから、外径は30mm以上も大きくなっている。それどころか、これは直接の兄貴分たるレクサス「UX」よりも大きなサイズなのだ。

コンパクトでも逞しく、か弱さのないアピアランス。レクサスの最新のデザイン言語を積極的に採り入れたディテールと相まって、LBXは見た目がまったく安っぽくない、凝縮感のあるものに仕上がっている。もっと平たい言い方をするならば、ヤリスクロスの内外装を豪華に仕立てただけのものには見えないし、実際になっていないのである。

豊田社長が「これならいらない」とダメだし

しかしながら、実は当初からそれを具現化できていたわけではなかったという。開発責任者は言う。

「当初はGA-Bを基本的にそのまま生かすかたちで開発を進めていたのですが、豊田章男社長(現会長)がそれを見て『これだったらいらないな……』と、寂しい顔をされながら言われて……」

できることしかやらないのではなく、期待以上のものを提供するのがプレミアムブランドの使命。そこからすべてが見直されて、結果としてこうした大改変に至ったのだそうだ。

シャシーの大幅な変更は走りの面でも効果を発揮している。タイヤを固定するナックルと呼ばれる部品は軽量・高剛性なアルミ鍛造とされ、路面からの入力を受け止めるアッパーマウントは上級モデルと同じ構造が用いられた。

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