「レクサスRZ」初のBEV専用車に乗ってわかった力 世界のライバルに見劣りしない完成度に仕上げた
トヨタ自動車の社長交代により発足する新体制では、事業改革をリードする存在として次世代BEV(電気自動車)の開発をレクサスが担うことが明言された。コーポレート全体で見た時、レクサス「UX300e」がレクサス内で開発されたのに対して、昨年発売されたトヨタ「bZ4X」の開発はZEVファクトリーで行われていたりもしたが、今後は明確にレクサスが主導する立場となる。
この方針には100%賛成だ。理由はいくつもある。まず新技術はユーザーの目が肥えていて、かつ車両への価格転嫁もしやすいプレミアムカーから搭載し、それを量販車に波及させていくのがもっとも効率的だから。それはもはや説明不要だろう。
プレミアムカーブランドはBEVシフトを邁進
さらに言えば、レクサスもその一員である世界のプレミアムカーブランドは今、BEVシフトを邁進している。規制対応もその理由ではあるが、それだけでなくBEVが可能にする静かで滑らかで力強い走りこそ、彼ら自身が、そして顧客たちもこれまで求めてきた境地だということを忘れてはならない。
トヨタ自動車はプラクティカルな電動化という方針を掲げて、BEVだけでなくHEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCEV(燃料電池車)など多彩な選択肢を用意する戦略を採っている。世界でビジネスを展開し多種多様なユーザーを抱えるトヨタにとって、間違いなくそれが正義である。
一方、成熟国を主な商圏とするプレミアムブランドには違った文脈が必要であり、それにミートさせていくのは必須。レクサスのBEV専業ブランドへのシフトは2035年が目標だが、諸条件によっては、それがさらに早まる可能性だってあるのだ。遅れは許されない。
そんなレクサスのBEV攻勢の推進役となるブランド初のBEV専用開発車が、レクサスRZである。実はこのRZ、プロトタイプには昨年試乗していて、レビューはこの東洋経済オンラインにも寄稿している(「RZ」レクサス初のEV専用車に乗ってわかった実力/2022年9月2日配信)。今回はいよいよ市販目前ということで、南仏で開催された国際試乗会に参加してきた。
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