「レクサスRZ」初のBEV専用車に乗ってわかった力 世界のライバルに見劣りしない完成度に仕上げた

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しっかりとした車体に、エンジンを積まないBEVならではの前後重量配分の良さ、フロア下にバッテリーを積むレイアウトがもたらす低重心などが相まって、フットワークも上々である。ステアリングを切り込むと、まさに意のままのラインを辿ることができて、南仏のすれ違いもしにくいような山道ですら楽しく走ることができた。

これには前後駆動力配分を0:100~100:0まで自在に変化させる新システム「DIRECT4」も貢献している。旋回していく時には駆動力を前に寄せ、コーナー立ち上がりに向けて徐々にリア寄りにしていくといった制御を、緻密にそしてリアルタイムで行うことができる、電気モーターのメリットがフルに活かされている。

持ち替え不要、フィールは明瞭で振動も遮断

実は販売時期は未定ながら、RZにはワンモーショングリップと名付けられたステア・バイ・ワイヤ システムも用意される。上下をカットした操縦桿のような、もはや“ホイール”とは言えない形状のステアリングは、前輪とは機械的には繋がっておらず、操作は電気信号に置き換えられて制御される。ギア比を自由に設定できることからロック・トゥ・ロックは150°に設定されており、つまり持ち替えは不要。走行状況に応じて車体側で行なわれている細かなシャシー制御の影響がステアリングに伝わってこないのでステアリングフィールが常に明瞭に保たれ、また路面の凸凹などによる振動も遮断できる。

低速域ではクイックな設定によりグルグル回す必要がなくなり、高速域では逆に安定感、安心感を強調。ざっくり言えばそんな感じなのだが、正直コレ、若い人には面白くて、ベテランは違和感を覚えるのかと思いきや、もしかすると逆かもしれない。クルマと対話できる人ならば、手応えを感じながら必要なだけ操作すればいいのでメリットが際立つが、そうじゃないと切れ過ぎと感じたり、それを恐れて切り遅れたりしてしまうようなのだ。

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