今年4月には、「こどもまんなか社会」の実現に向け総理大臣直属の機関として「子ども家庭庁」が発足した。住みよさランキングでは2019年から「子ども医療費助成制度」の対象年齢を指標に組み入れている。
図②は、2020年からの通院に対する「子ども医療費助成対象年齢」の引き上げを表している。助成は入院も対象になるが、利用頻度の高い通院のみ図表にした。対象年齢は年々上がっており、2023年4月時点の最高年齢は通院で「20歳まで」、入院は「24歳まで(勤労者を除く)」となっているが、自治体数の多い「6歳~18歳まで」をグラフ化した。
2022年までは緩やかに対象が18歳に引き上げられているが、2023年からは引き上げが加速している。いまだ全体の4割余りは、対象年齢が15歳以下となっているが、アンケート調査結果から、多くの市が2023年後半にも対象を18歳まで引き上げるとしており、助成対象は今後も拡充されていくと予想される。
子育て支援策でも自治体間格差が今後広がるか
自治体では「子ども医療費助成」以外にさまざまな子育て支援策を実施している。その一例として兵庫県加西市の取り組みについて紹介する。
「子育て応援5つの無料化」として「保育所・認定こども園の0歳~5歳児の保育料の無料化」「全保育・学校施設のすべての給食の無料化」「乳幼児~高校3年生までの医療費無料化」「乳幼児を養育する世帯のオムツの無料化」「病児病後児の一時あずかりの無料化」を令和4年度から実施している。加西市の順位についても安心度に改善がみられ、総合順位は342位と前回から200位余り順位を上げている。
2019年国民基礎調査によると子どもの貧困率は2018年時点で13.5%だった。2020年以降はコロナ禍を経て困窮者の増加から貧困率が上昇しているとの試算もある。
子ども医療費助成の拡充は、負担の多い子育て世帯を助ける有効な手段になっているが、それにプラスして、今後は加西市がすでに実施しているような「給食の無料化」等の支援拡充が求められるだろう。ただし、助成対象年齢を12歳から引き上げていない自治体があるように、継続的な支援策を打ち出せるかどうかは、市の財政状況に依存する。子育て支援策でも自治体間格差が今後は広がることが予想される。
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